来週のドル円見通し(7月13日~17日)|米CPIとウォーシュFRB議長証言に注目

2026年7月13日~17日のドル円見通しを解説。原油高と米金利上昇で動いた前週を振り返り、米CPI、FRB議長証言を軸にファンダメンタルズとテクニカルの両面から分析する。

2026年7月6日~10日のドル円は161.34円で始まり、中東情勢の緊迫化に伴う原油高と米国金利の上昇を受けて162.71円まで上昇した。しかし、週末は日本の年金基金による国内資産投資の拡大観測や原油反落を材料に161.70円へ下落した。来週は14日の米CPIとウォーシュFRB議長の議会証言が最大の焦点である。日米金利差が下値を支える一方、162円台後半では介入警戒が上値を抑える展開を想定する。

週次価格はWSJのニューヨーク日足、値動きの背景はReutersとトレーダーズ・ウェブFXを中心に照合した。

1.今週のドル円相場を振り返る

今週のドル円の値動き

項目 価格・変化
週初値 161.34円
週間高値 162.71円
週間安値 161.28円
週終値 161.70円
週間値幅 1.43円
前週末終値 161.37円
前週末との比較 +0.33円、約0.20%のドル高・円安

週初:米雇用統計後のドル売りから持ち直す

7月6日(月)のドル円は161.34円で始まり、ニューヨーク市場では一時162.43円まで上昇した。前週の弱い米雇用統計を受けて、FRBが早期に利上げするとの見方はいったん後退していたが、ドル売りは長続きしなかった。

円は1986年以来となる安値圏にとどまり、政府・日銀による為替介入への警戒はあったものの、日米金利差を背景とした円売りも根強かった。ドル円は162.07円前後まで回復し、前週の雇用統計後に進んだドル売りを一部取り戻した。

同日、ウォラーFRB理事はインフレが再び加速し始めているとの認識を示し、金融政策への取り組み方を変更する必要性にも言及した。ただし、ドル円はすでに東京時間から上昇していたため、発言に対する追加的な反応は限定的だった。ニューヨーク終値は162.09円となった。

市場の解釈

週初のドル円上昇は、新たな強い経済指標によるものではない。前週の急落に対する買い戻しに加え、日銀の政策金利が1.00%、FRBの政策金利が3.50~3.75%であるという日米金利差が、円売り・ドル買いを支えたと考えられる。

週央:中東情勢と原油高が米国金利を押し上げる

7月7日(火)から8日(水)にかけては、中東情勢と原油価格がドル円の主要材料となった。

7日には、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡を通過中の商船を攻撃したとの報道や、米国がイラン産原油の販売を認める措置を取り消すとの情報が伝わった。供給不安からWTI原油先物が上昇し、米10年債利回りも上昇したため、ドル円は162円台を維持した。

原油高が米国金利を押し上げるのは、エネルギー価格の上昇が将来のインフレを高め、FRBが高金利を長く維持する、あるいは追加利上げに動くとの観測につながるためである。

8日には、米国によるイランへの攻撃観測と、イラン側によるホルムズ海峡閉鎖への警告が重なった。WTI原油先物が76ドル台へ上昇し、米10年債利回りも上昇すると、ドル円は週間高値となる162.71円まで上値を伸ばした。

原油市場ではブレント原油が1バレル=78.02ドル、WTI原油が73.52ドルで取引を終え、いずれも数週間ぶりの高値となった。株式市場ではダウ平均が1.09%下落、S&P500が0.28%下落する一方、ナスダック総合は0.20%上昇した。

因果関係を整理すると、次の流れである。

中東情勢の緊迫化 → 原油価格の上昇 → インフレ再加速への警戒 → FRBの利上げ観測上昇 → 米国債利回りの上昇 → ドル買い → ドル円上昇

今回は地政学リスクによる「安全資産としての円買い」よりも、原油高と米国金利上昇を通じたドル買いの方が強く表れた。

FOMC議事録:追加利上げを支持する意見も確認

日本時間7月9日(木)3時には、6月16~17日に開催されたFOMCの議事録が公表された。

6月FOMCでは、全参加者が政策金利を3.50~3.75%に据え置くことを支持した。一方、少数の参加者は追加利上げにも妥当性があると指摘した。インフレが鈍化する場合には据え置き、将来的には利下げが適切とのシナリオが議論された一方、インフレが高止まりする場合には追加的な金融引き締めが必要との意見も示された。

また、従来の声明文にあった、将来の政策方向が利下げに傾いていると受け取られかねない文言を繰り返さない方針も確認された。これはFRBが利下げ方向への事前の約束を避け、今後の経済指標に応じて利上げを含む選択肢を残したことを意味する。

ただし、議事録は一方向にタカ派的だったわけではない。年末の政策金利について、現在と同程度かやや低い水準が適切とする参加者がいる一方、現在より高い水準を想定する参加者も多く、FOMC内で見方が分かれていることが明らかになった。

市場の解釈

追加利上げを支持する意見はドル買い材料であるが、それがFOMC全体の合意ではなかったため、議事録だけで利上げが決定的になったわけではない。原油高と米国金利上昇が続いていたこともあり、ドル円は162円台後半を維持したものの、議事録公表後に上昇が加速する動きは限定的だった。

米国債利回り:原油高を受けて上昇

FRBのH.15統計によると、米2年債利回りは7月6日の4.13%から8日には4.21%へ、米10年債利回りは4.48%から4.56%へ上昇した。9日は原油価格の反落を受け、2年債が4.16%、10年債が4.54%へ小幅に低下した。

米2年債利回りは、FRBの政策金利見通しを比較的強く反映する。今週のドル円が162.71円まで上昇した背景には、原油価格だけでなく、「FRBが利上げに動く可能性」を織り込む米短期金利の上昇があった。

週末:国内資産への投資拡大観測で円が反発

7月9日(木)は原油価格が下落し、米10年債利回りも低下したため、ドル円は162.25円付近まで下落した。終値は162.38円となり、5営業日ぶりの反落だった。
10日(金)には、片山財務相がGPIFなどの年金基金に対し、日本国内の金融資産への投資拡大を促す施策を検討していると明らかにした。

市場では、日本の年金基金が海外資産の比率を引き下げ、国内資産を増やす場合、外貨売り・円買いが発生するとの思惑が広がった。東京時間のドル円は162円台前半から161.29円まで約1円下落した。

Reutersによると、円は対ドルで一時161.26円まで上昇した。もっとも、年金基金への投資拡大要請は正式な資産配分変更ではなく、円高の動きは一部巻き戻された。ドル円は週間では約0.2%の上昇を維持した。

ニューヨーク市場では、WTI原油先物の下落をきっかけにドル売りが強まり、ドル円は161.28円まで下落した。その後、原油安が一服し、米10年債利回りが4.57%近くまで上昇すると161.70円台へ戻して週を終えた。

今週の値動きの要点

今週は、特定の経済指標よりも、以下の2つの流れが相場を支配した。

  • 週前半から週央:原油高、米国金利上昇、FRB利上げ観測によるドル買い
  • 週末:年金基金の国内投資拡大観測と原油安による円買い・ドル売り

結果としてドル円が上昇した一週間ではあるが、162円台後半で上昇が定着したとはいえない。

日銀とFRBの金融政策

FRBは6月17日のFOMCで、政策金利を3.50~3.75%に据え置いた。声明文では、米経済が堅調に拡大している一方、供給ショックやエネルギー価格の上昇によってインフレが2%目標を上回っているとの認識を示した。

日銀は6月16日に政策金利を1.00%へ引き上げた。7月12日時点でも、無担保コール翌日物金利を1.00%程度で推移させる方針である。次回の日銀金融政策決定会合は7月30~31日に予定されている。

日銀が利上げしたとはいえ、日米の政策金利差はなお2.5%ポイント以上ある。これがドル円の下値を支える一方、160円台後半から162円台では、日本政府による円安けん制や為替介入への警戒が強まりやすい。

CME FedWatchにみる米利上げ確率

FF金利先物に基づく市場の政策金利予想は、今週を通じて利上げ方向へ変化した。

FOMC 政策金利のシナリオ 7月11日時点 前週
7月29日 3.50~3.75%に据え置き 64.6% 75.6%
7月29日 3.75~4.00%へ利上げ 35.4% 24.4%
9月16日 9月まで利上げなし 30.3% 42.9%
9月16日 9月までに1回利上げ 50.9% 46.6%
9月16日 9月までに2回利上げ 18.8% 10.6%
12月9日 年内利上げなし 14.6% 21.7%
12月9日 年内に1回利上げ 37.6% 41.6%
12月9日 年内に2回以上利上げ 47.8% 36.7%

7月FOMCの利上げ確率は、前週の24.4%から35.4%へ上昇した。9月までに少なくとも1回利上げする確率は57.1%から69.7%へ、年内に少なくとも1回利上げする確率も78.3%から85.4%へ上昇している。

利上げ観測が高まった理由は、次の三点である。

  1. 中東情勢の悪化によって原油価格が上昇した
  2. FOMC議事録で追加利上げを支持する意見が確認された
  3. 米国債利回りが上昇し、インフレの長期化が意識された

一方、前週の米雇用統計が弱かったため、7月会合では据え置きが依然として中心シナリオである。市場は「直ちに利上げ」ではなく、「今後のインフレ次第では年内利上げ」と織り込んでいる。


2.来週の重要イベント

市場予想は2026年7月12日時点であり、発表前に変更される可能性がある。

日付・日本時間 国・地域 イベント 市場予想・前回値 ドル円への注目点
7月14日(火)21:30 米国 6月消費者物価指数(CPI) 総合:前月比-0.1%/前回+0.5%、前年比+3.8%/前回+4.2%。コア:前月比+0.2%/前回+0.2%、前年比+2.8%/前回+2.9% FRB利上げ観測を左右する最大材料
7月14日(火)23:00、15日(水)23:00 米国 ウォーシュFRB議長の議会証言 予想なし 7月・9月利上げへの姿勢、原油高と雇用減速の評価
7月15日(水)8:50 日本 5月機械受注 前月比-4.6%/前回+8.7%、前年比+13.0%/前回+15.6% 日本企業の設備投資と日銀追加利上げ観測
7月15日(水)21:30 米国 6月生産者物価指数(PPI) 総合:前月比-0.1%/前回+1.1%、前年比+6.2%/前回+6.5%。コア:前月比+0.4%、前年比+5.2% 企業段階の物価圧力とCPI後の利上げ観測
7月16日(木)3:00 米国 FRB地区連銀経済報告・ベージュブック 予想なし 景気、雇用、企業の価格転嫁の実態
7月16日(木)21:30 米国 6月小売売上高、新規失業保険申請件数 小売売上高:前月比+0.3%/前回+0.9%、自動車除く-0.1%/前回+0.8%。申請件数の前回値21.5万件 消費と雇用の強さを確認

米CPI:来週最大の注目イベント

7月14日(火)21時30分に発表される6月米CPIは、来週のドル円予想を考えるうえで最重要の経済指標である。

総合CPIは、原油・ガソリン価格の反落によって前月比-0.1%、前年比+3.8%へ鈍化すると予想されている。ただし、食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比+0.2%、前年比+2.8%と、緩やかな鈍化にとどまる見通しである。

市場が注目するのは、総合CPIの低下だけではない。次の項目が重要となる。

  • 住居費の上昇率
  • エネルギー以外のサービス価格
  • 輸送サービスや航空運賃
  • 関税や原材料高が商品価格へ波及しているか
  • 前月の高い伸びが一時的だったか

市場予想を上回った場合

総合・コアCPIがともに上振れれば、7月FOMCでの利上げ確率が35.4%からさらに上昇する可能性がある。米2年債利回りが4.20%を明確に上回れば、ドル円は162円台後半を試しやすくなる。

市場予想を下回った場合

コアCPIが鈍化し、サービス価格にも減速が確認されれば、7月利上げ観測は後退しやすい。米国金利の低下を伴えば、ドル円は161.28円、さらに160円台半ばを試す可能性がある。

市場予想どおりだった場合

総合CPIがエネルギー安だけで低下しているのか、基調的なインフレも弱まっているのかが焦点となる。結果がほぼ予想どおりであれば、その90分後に始まるウォーシュFRB議長の議会証言が次の材料になる。

米CPIでは総合指数だけでなく、コアCPIの前月比や住居費の動きも重要である。詳しい見方は「米CPIの見方|ドル円が動く注目項目を初心者向けに解説」でまとめている。

ウォーシュFRB議長の議会証言

ウォーシュFRB議長は、日本時間7月14日23時に米下院金融サービス委員会、15日23時に米上院銀行委員会で、半期金融政策報告について証言する予定である。就任後初の本格的な議会証言として、市場の注目度は高い。

注目点は以下である。

  • 7月利上げを現実的な選択肢とみているか
  • 原油高を一時的な供給ショックとみるか
  • 弱い米雇用統計をどの程度懸念しているか
  • インフレと雇用のどちらを優先するか
  • 6月FOMCで削除された利下げ方向の文言をどう説明するか

タカ派的だった場合

インフレ抑制を優先し、7月または9月の利上げを否定しなければ、米国金利とドルが上昇しやすい。CPIが上振れた直後であれば、ドル円上昇が加速する可能性がある。

ハト派的だった場合

原油高の影響は一時的であり、雇用の減速を慎重に見極めるとの姿勢を示せば、利上げ観測は後退しやすい。

従来の姿勢を繰り返した場合

「今後のデータ次第」との説明にとどまれば、CPI、PPI、小売売上高などの経済指標が相場の中心材料となる。

米PPIと小売売上高

7月15日(水)21時30分には米PPI、16日(木)21時30分には米小売売上高が発表される。

PPIは企業が仕入れ・出荷段階で直面する物価を示す。総合指数は原油安によって低下が予想される一方、コア指数の前年比は前回の4.9%から5.2%へ上昇する見通しである。

小売売上高は前月比+0.3%と、前回の+0.9%から減速する予想である。自動車を除く売上高は-0.1%が見込まれており、物価上昇のなかでも米国の個人消費が持ちこたえているかが焦点となる。

CPIとPPIがともに強く、小売売上高も上振れれば、「インフレは高いが景気も利上げに耐えられる」と解釈され、ドル高につながりやすい。

一方、物価と消費がともに弱ければ、FRBが利上げを急ぐ必要性は低下する。物価が強く小売売上高が弱い場合は、インフレと景気減速が同時に進むスタグフレーションへの警戒が高まり、株価と円相場を含めて値動きが不安定になりやすい。


3.来週のドル円見通し

メインシナリオ

筆者の基本的な見通しは、161円台前半から162円台後半を中心に、米CPIとウォーシュFRB議長の発言によって方向性を探る展開である。

7月FOMCでは据え置きが中心シナリオだが、利上げ確率は前週から上昇している。日米金利差も大きく、米国金利が急低下しない限り、ドル円の下値は一定程度支えられやすい。

一方、162.71~162.84円は直近高値が並ぶうえ、円買い介入への警戒も強い。米CPIが明確に上振れなければ、162円台後半を積極的に買い上げる動きは続きにくいと考える。

メインシナリオを修正すべき条件は、次のいずれかである。

  • 米CPIの上振れによって7月利上げが中心シナリオへ変わる
  • 米CPIが大幅に下振れし、米2年債利回りが4.10%を割り込む
  • 日本政府が実際に為替介入を行う
  • 年金基金の国内資産投資について具体的な方針が公表される
  • 中東情勢の急変によって原油価格が再び大幅上昇する

ドル高・円安シナリオ

ドル円が上昇しやすくなる条件は以下である。

  • 米CPIとPPIが市場予想を上回る
  • ウォーシュFRB議長が7月または9月利上げを示唆する
  • 米小売売上高が上振れし、景気の底堅さが確認される
  • 米2年債利回りが4.20%を明確に上回る
  • 原油価格が再上昇し、インフレ懸念が強まる
  • 日銀の追加利上げ観測が後退する
  • 株高によるリスク選好で円売りが進む

この場合、まず162.30~162.50円、続いて162.71~162.84円が焦点となる。

162.84円を日足終値で明確に上回り、米2年債利回りの上昇が続く場合は、ドル高・円安シナリオの確度が高まる。ただし、163円に接近するほど、日本政府の円安けん制や為替介入による急落リスクも高まる。

ドル安・円高シナリオ

ドル円が下落しやすくなる条件は以下である。

  • 米CPIのコア指数が市場予想を下回る

  • ウォーシュFRB議長が雇用減速への警戒を強調する

  • 米PPIと小売売上高がともに弱い

  • 米2年債利回りが4.10%を割り込む

  • 年金基金の国内投資拡大が具体化する

  • 日銀の追加利上げ観測が高まる

  • 株安や地政学リスクによる円買いが強まる

  • 日本政府が為替介入を実施する

    161.28円を明確に下回れば、前週の米雇用統計後に反応した160.49~160.63円が次の下値候補となる。

    160.00円を日足終値で下回った場合は、短期的な調整ではなく、5月以降の上昇トレンドが崩れ始めた可能性を考える必要がある。


4.ドル円のテクニカル見通し

テクニカル指標は、WSJのニューヨーク日足終値を使用して筆者が計算した。取引会社によって日足の確定時刻が異なるため、数値には多少の差が生じる。

日足のトレンド

7月10日の終値161.70円に対し、主要な移動平均線は以下の水準である。

テクニカル指標 7月10日時点
10日移動平均線 約162.05円
20日移動平均線 約161.66円
50日移動平均線 約160.02円
RSI(14日) 約54.2
MACD 約+0.56
シグナル 約+0.62
ヒストグラム 約-0.06

10日移動平均線は20日線を上回り、20日線は50日線を上回っているため、中期的な上昇トレンドは維持されている。
一方、終値161.70円は10日線の162.05円を下回り、20日線の161.66円付近まで下落した。短期的には上昇の勢いが鈍り、上昇トレンドのなかで調整が進んでいる状態である。

RSIは54.2程度で、買われ過ぎでも売られ過ぎでもない。MACDはプラス圏を維持しているが、MACD線がシグナル線を下回り、ヒストグラムもマイナスとなった。中期上昇基調のなかで、短期モメンタムが弱まっていることを示している。

高値・安値の推移

5月以降の日足では、安値と高値を段階的に切り上げており、中期的な上昇構造は維持されている。
ただし、7月1日の162.84円と7月8日の162.71円で上値を抑えられた。直近では高値がわずかに切り下がっており、162円台後半に強い売り圧力がある。

上昇トレンドラインの正確な位置は、使用するチャートの描画条件によって異なるため数値化しないが、50日移動平均線付近の160円前後を割り込まない限り、中期上昇トレンドは維持されやすい。

4時間足のトレンド

4時間足では、7月8日の162.71円をピークに高値と安値を切り下げており、短期的には調整局面である。
7月10日時点の公開分析では、4時間足RSIは40台前半へ低下し、MACDもわずかにマイナスへ転じた。161.75円が上値抵抗となり、161.30円付近で下げ止まる形となっている。

したがって、4時間足では161.75~162.05円を回復するまでは、積極的な上昇再開とは判断しにくい。

上値の注目水準

161.75~162.05円

161.75円は7月10日の戻りを抑えた価格帯であり、162.05円付近には10日移動平均線が位置する。 まずこの水準を回復できなければ、ドル円は20日移動平均線付近で上値の重い状態が続きやすい。

162.30~162.50円

7月6日と10日の高値、7月9日の安値・終値などが集まる価格帯である。直近の売買が集中しており、短期的な上値抵抗になりやすい。

162.71~162.84円

7月8日の週間高値162.71円と、7月1日に記録した直近高値162.84円が並ぶ最重要抵抗帯である。
この価格帯では為替介入への警戒も強まりやすい。米CPIの上振れと米国金利上昇が重ならなければ、上抜けは容易ではない。

163.00円

心理的な大台である。162.84円を上抜けた場合に意識されるが、同時に日本政府の円安けん制が強まる可能性が高い。

下値の注目水準

161.60~161.70円

週終値と20日移動平均線が位置する最初の支持帯である。
この水準を維持できれば、中期上昇トレンド内の小幅な調整と判断できる。

161.27~161.30円

7月6日と10日に下げ止まった週間安値圏である。4時間足でも買いが入った水準であり、来週の短期的な分岐点となる。

160.49~160.63円

7月2~3日の米雇用統計後に反応した支持帯である。161.27円を割り込んだ場合、次に意識されやすい。

160.00~160.05円

心理的節目と50日移動平均線の約160.02円が重なる重要な支持帯である。
ここを日足終値で下回ると、5月以降の高値・安値切り上げ構造が崩れ、中期的な見方を変更する必要がある。

テクニカル上の分岐点

上方向では、162.05円を回復したうえで、162.84円を日足終値で上抜けられるかが重要である。162.84円を超えて定着すれば、上昇トレンド再開と判断しやすくなる。

下方向では、161.27円を割り込むと160.50円前後への調整が視野に入る。さらに160.00円と50日移動平均線を明確に下回った場合は、押し目ではなく、トレンド転換の可能性を考えるべきである。


5.まとめ

2026年7月6日~10日のドル円は、週前半から中盤にかけて、中東情勢の緊迫化、原油高、米国金利上昇、FOMC議事録で確認された追加利上げ論を背景に162.71円まで上昇した。しかし、週末はGPIFなど年金基金による国内資産投資の拡大観測と原油反落を受け、161.70円へ押し戻された。

来週最大の注目イベントは、7月14日21時30分の米CPIと、同日23時から始まるウォーシュFRB議長の議会証言である。CPIが上振れ、議長がタカ派姿勢を示せば162.71~162.84円を試す可能性がある。一方、インフレ鈍化と米国金利低下が確認されれば、161.27円、さらに160.49~160.63円が焦点となる。

基本シナリオは161円台前半から162円台後半での方向感を探る展開である。162.84円を日足で上回るか、160円を明確に下回った場合は見通しを修正する必要がある。CPI、FRB議長証言、原油価格、為替介入に関する報道の前後では、短時間で大きく動く可能性に注意したい。

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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ファンダメンタルズFX: 来週のドル円見通し(7月13日~17日)|米CPIとウォーシュFRB議長証言に注目
来週のドル円見通し(7月13日~17日)|米CPIとウォーシュFRB議長証言に注目
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