米国株はなぜ9月に弱いのか?過去の株価データから見えるアノマリーを分析し、S&P500やNYダウに潜む下落リスクを投資家向けに詳しく解説。
「9月の米国株(S&P500やNYダウ)は下がりやすい」そんな言葉を聞いたことがないでしょうか。これは、実際に長期の統計データからも裏付けられている有名なアノマリーのひとつです。その理由にはどんなものがあるのでしょうか。
なぜ9月は米国株が下がりやすいのか?
1. 夏季休暇明けによるポジション調整売り
米国の機関投資家やファンドマネージャーは、8月まで夏季休暇を取っているケースが多く、9月から市場に戻ってきます。相場に戻ってきた時にまず行うのがポジションの見直しやリスク調整です。
これらにより利益確定や損失確定の売りが出やすくなり、株価に下押し圧力がかかることがあります。
2. 年度末決算を控えたヘッジファンドの売り
米国の多くのヘッジファンドは10月が会計年度末です。そのため、9月に入ると「成績の見直し」や「ポジション整理(利益確定・損失処理)」が本格化します。
とくに**損失が出ているポジションの損切り(タックス・ロス・セリング)**が増えると、結果として市場全体が弱含みになります。
3. 過去の相場サイクルと期待剥落
7月〜8月までは好決算などで株価が上がりやすい時期であり、投資家の期待が高まりやすい傾向があります。しかし9月に入ると、「実際の景気指標がそこまで良くなかった」「FRBのスタンスがタカ派だった」など、期待とのギャップで失望売りが出ることがあります。
4. 経済・金融イベントの集中
9月はFOMC(米連邦公開市場委員会)やECB理事会など、重要な中央銀行イベントが集中しやすい時期です。これらのイベントで金利政策やインフレ見通しに関する発言がされることで相場が不安定になることが多いです。
5. 統計的な裏付け
過去70〜100年のS&P500などのデータで見ると、9月は平均リターンがマイナスとなる唯一の月です。たとえば、S&P500の月間平均騰落率(1928年以降)を見ると、9月は平均-0.6%となり、月別でもっともパフォーマンスが悪い月です。
結論
「9月の米国株は下がりやすい」というのは、単なる迷信ではなく、
- 投資家の休暇明けによる調整
- ファンドの会計・税務処理
- 市場の期待と現実のギャップ
- 重要イベントの集中 といった実際のマーケットサイクルと行動心理に基づいた傾向といえるでしょう。