9月のドル円は要注意? 為替相場でよく起きる秋のアノマリーを解説
FX(外国為替証拠金取引)では、テクニカル分析や経済指標と並んで季節的な傾向(アノマリー)を参考にすることがあります。9月の為替市場で見られるアノマリーはどのようなものがあるのでしょうか。
アノマリーとは?
アノマリーとは、過去の統計から見えてくる価格変動の“クセ”のことです。もっとも有名なアノマリーとしては「株は5月に売れ(Sell in May)」があります。
為替市場においては、月ごとに「この通貨はこの時期に上がりやすい/下がりやすい」という傾向があり、とくに9月は「相場が荒れやすい月」として知られています。
なぜ9月の為替相場は荒れやすいのか?
9月の為替市場が荒れやすい理由はいくつかあります。
1. リスクオフ(安全資産への逃避)が起きやすい
9月はリスクオフ(=市場のリスク回避姿勢)が強まる傾向があります。その理由としては、以下のような点が挙げられます。
- 米国株の下落が多い月(S&P500やNYダウは9月に下がりやすい)
- 世界の政治・経済イベントが集中しやすい
- 夏季休暇明けの機関投資家によるポジション調整
これらの要因から、リスク回避の円買い(円高)や、スイスフラン買いが入りやすいと言われています。
2. 欧米の投資家が本格復帰
8月までは欧米の投資家がバカンスで不在のことも多く、9月から本格的なポジション調整や新規投資が始まります。その動きが相場の方向を変えることもあります。
3. 米FOMC・日銀政策決定会合が重なりやすい
9月は、米連邦公開市場委員会(FOMC)や日本銀行の金融政策決定会合が開催されることが多く、政策変更や声明文の内容がマーケットに大きな影響を与えるケースがあります。
過去10年の通貨ごとの9月の傾向
ドル円(USD/JPY)
- 9月はやや円高方向に動きやすい
- とくに2018年以前は陰線になる年が多く、ボラティリティも大きめ
ユーロドル(EUR/USD)
- 方向感が出づらく、イベント次第で乱高下する傾向
- ECB関連イベントや欧州の政局不安が影響しやすい
ポンドドル(GBP/USD)
- 夏季休暇明けによる投資家の急なポジション調整
- ボンドや選挙・政局リスクなどの政策イベント集中
- 統計的に株価や為替が下振れしやすい相場の季節要因
2022年9月に当時のトラス政権は「成長計画」と呼ばれる大型減税案「ミニ予算(Mini-Budget)」を発表しました。これは、インフレ下における財源なき大規模な財政出動」と市場から見なされ、ポンド、国債、株価が同時に下落した金融ショックとなりました。
豪ドル・NZドル(AUD/USD、NZD/USD)
- リスクオフに弱く、9月は売られやすい
- 高金利通貨のため、資金が逃げやすい局面
9月に意識すべきポイント
9月のトレードで注意すべき点は以下の通りです。
✔ 急な変動に注意
イベントや要人発言で相場が急反転しやすいため、ストップロス(損切り)の設定は必須です。
✔ ポジションは軽めに
秋口は大きなトレンドよりも振れ幅の大きな“調整局面”になりやすいので、無理にポジションを持ちすぎないことが重要です。
✔ テクニカル+ニュースの併用
アノマリーだけではなく、経済指標・金融政策・地政学リスクのチェックも必ず行いましょう。
まとめ:9月は“リスクと転換”の月
9月は為替相場において、「夏の緩やかな動き」から「年末に向けた本格的な相場」へと切り替わる転換点です。リスクオフの動きや政策イベントが重なり、ボラティリティも大きいことから難しい月と言えるかもしれません。
9月のアノマリーを念頭に置いた慎重なトレードが求められるでしょう。