来週のドル円相場は、日銀金融政策決定会合とFOMCが焦点となる。いずれも政策に変更はない見通しだが、植田総裁やパウエル議長の発言次第で市場の方向性が変わる可能性がある。予想レンジは146.00~150.00円とされており、政策発表の内容次第では大きな動きがある可能性がある...
来週のドル円相場は、日銀金融政策決定会合とFOMCが焦点となる。いずれも政策に変更はない見通しだが、植田総裁やパウエル議長の発言次第で市場の方向性が変わる可能性がある。予想レンジは146.00~150.00円とされており、政策発表の内容次第では大きな動きがある可能性がある。
現状の市場動向
今週のドル円は米国の関税政策や米経済指標の影響で上下に振れる展開となった。トランプ大統領の関税強化発言やウクライナ情勢の不透明感がリスク回避の円買いを促す場面もあり一時146円まで下押しする場面もあったものの、米国の2月消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで、FRBの利下げ期待が高まり、ドル買いが進んだ。
来週の注目イベント
日銀金融政策決定会合/18日(火)~19日(水)
日銀は政策金利を据え置く見通しだが、春闘の賃上げ動向や円高リスクに関する植田総裁の発言が注目される。市場では、日銀が年内に追加利上げを実施する可能性について議論が高まっており、春闘の結果が堅調であれば利上げ観測が強まり、円買いが進む可能性がある。
FOMC/19日(水)~20日(木)
FRBは政策金利を据え置く見通しだが、四半期ごとの経済見通し(SEP)が更新される。現在、市場は6月の利下げを90%以上織り込んでおり、年内3回の利下げを予想している。しかし、FOMCの発表内容次第では、利下げ回数の見通しが変わり、ドル円相場に影響を与える可能性がある。
パウエルFRB議長が「インフレリスクが再燃する可能性がある」との見解を示した場合、ドル買いが進み150円台を目指す展開となる可能性がある。一方で、利下げの可能性を強く示唆すれば、ドル売り・円買いの動きが強まり、146円台への下落も視野に入る。
地政学リスクと市場動向
トランプ政権の関税政策が強化される中、米国と欧州、中国の通商関係に不透明感が広がっている。とくに、米国がカナダ・メキシコに対する鉄鋼・アルミ関税を強化し、EUに対する関税措置を検討していることが、貿易摩擦を再燃させる要因となる可能性がある。
ウクライナ情勢に関しては、停戦交渉が進展しているものの、ロシア側が条件を厳しく設定しているため、実現には時間がかかる見通しである。これらの要因がリスク回避の動きを強め、円買いを促す可能性がある。
予想レンジ
来週のドル円相場は、146.00~150.00円のレンジで推移すると予想される。やや前週よりドル買い圧力が強まる形だ。
上値目処(150.00円):FOMCがタカ派的な内容となり、利下げ回数の見通しが引き下げられた場合、ドル買いが進み150円台を試す可能性がある。
下値目処(146.00円):春闘の結果が堅調で、日銀の追加利上げ観測が強まった場合、円買いが進み146円台まで下落する可能性がある。