2017年12月第三週(12月11日~12月15日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2017年12月第三週(12月11日~12月15日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
但し、既存の材料だけでは、長期的なドル高期待は形成されにくいだろう。その為、一段と上値を切り上げ、新たなドル高トレンドを形成するには至らないと考えられる。
一方、下値も堅い時間帯が続くとみられ、方向感は出づらいと予想する。但し、今週の日経平均株価の乱高下が示す通り、何らかのヘッドラインを口実に、利益確定などのフローが交錯し、値幅が広がる可能性には要注意だろう。
現状では、利上げ決定はほぼ織り込まれており、マーケットでは、FOMCメンバーの経済・政策金利見通しに注目が移っている。特に、来年の利上げに前向きとの受け止められる場合には、ドルの一段の上昇も考えられる。ただ、ロシアゲート問題、中東情勢の悪化など懸念材料も残っており、関連する発言や報道には注意したい。
そして、12日には米アラバマ州での上院の補欠選挙が予定されている。同州は共和党地盤とされるが、上院の議席は52対48で共和党が過半数を上回っているが、民主党が勝利すると、過半数ぎりぎりとなり、造反者が出る
ただ、中東情勢の悪化や「ロシアゲート」問題など懸念材料はくすぶっており警戒感も残っている。
複数のドル買い材料が重なって114円台に上昇しても、「材料出尽くし感からいったん利益確定や戻り待ちの売りが優勢となる可能性がある」(邦銀)という。トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことに、アラブ諸国が反発を強めていることも懸念材料。リスク回避ムードの高まりで株安・円高となる展開も警戒される。
ユーロ/ドルは、サポートとみられていた1.18ドル前半を割り込んだことで、下値余地がやや拡大している。米国で税制改革の進展や長期金利が上昇すれば、ユーロ売り/ドル買いが強まり1.16ドル台まで下落する可能性があるという。
安倍首相と黒田日銀総裁は、12/5に首相官邸で昼食を取りながら会談を行った。今後の金融情勢に関する内容だったとされる。しかし、黒田総裁が2018年4月8日に任期満了を迎えることから、続投要請や打診、またはお互いの腹の探り合いぐらいはあった、と読むのが普通だろう。筆者は“黒田続投”、と睨んでいる。
理由は2つ。①10/22投開票となった衆院選挙期間中に日経平均株価の水準が“失われた20年”を取り戻し、与党はアベノミクスの成果だと訴えることが出来たこと。②黒田総裁にしてみれば、昨年9月から続けている短期金利マイナス0.1%、長期金利ゼロ%程度とする「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)」政策継続のお墨付きを選挙で得たことである。少なくとも、政治が黒田総裁に勇退を迫る大義名分は見当たらない。
■イエレン最後の利上げと今後
米利上げ確率を示すシカゴFEDウオッチでの12/13・FOMC利上げ確率は90%超(12/8時点)とほぼ織り込み済み。焦点は、来年2月に任期終了となるイエレンFRB議長が今後の利上げペースをどのように示すかだ。
■12/11週のドル円
上値焦点は11/15高値113.51、日足雲上限113.521。超えれば11/14高値113.92、11/9高値114.08、11/7高値114.35意識。11/4高値114.75は望外か。
下値焦点は週足雲上限112.474、12/7安値112.215、11/6安値111.98、11/30安値111.725、200日線維持。下抜けた際は12/1安値111.40、11/29安値111.375を推考。
ドル円は引き続き底堅い展開を予想する向きが多く、年末にかけて誰も予想していなかった「まさかの今年最後に 115 円超え?」のような声も出てきています。
時折あるヘッドラインによる急落を見極めて、押し目を狙っていく展開でしょうか。
予想 : 112.00 - 114.70
経済指標一覧(日本時間)
12/11(月)
- 特に重要な経済指標の発表なし
12/12(火)
- 18:30(英) 11月 消費者物価指数(CPI)
12/13(水)
- 22:30(米) 11月 消費者物価指数(CPI) ☆☆
- 28:00(米) FOMC 政策金利発表 ☆☆☆
- 28:30(米) イエレン FRB 議長 定例記者会見 ☆☆
12/14(木)
- 17:30(スイス) スイス政策金利発表 ☆☆
- 21:00(英) BOE 政策金利発表 ☆☆☆
- 21:45(欧) ECB 政策金利発表 ☆☆☆
- 22:30(欧) ドラギ ECB 総裁定例記者会見 ☆☆
- 22:30(米) 11月 小売売上高 ☆☆
12/15(金)※ 米メジャー SQ
- 08:50(日) 10-12月期 日銀短観・四半期大企業製造業判断 ☆☆
- 22:30(米) 12月 ニューヨーク連銀製造業景気指数
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Weekly
予想レンジ:111.50 - 115.00
当面の羅針盤
来週のドル円は年末のドル需要に支えられる上、FOMCでの利上げや政策期待進展への期待などから総じて底堅く推移。直近高値である 114 円台後半まで達する場面もみられよう。但し、既存の材料だけでは、長期的なドル高期待は形成されにくいだろう。その為、一段と上値を切り上げ、新たなドル高トレンドを形成するには至らないと考えられる。
一方、下値も堅い時間帯が続くとみられ、方向感は出づらいと予想する。但し、今週の日経平均株価の乱高下が示す通り、何らかのヘッドラインを口実に、利益確定などのフローが交錯し、値幅が広がる可能性には要注意だろう。
SBI Liquidity Market
週間マーケット展望
予想レンジ:112.00 - 114.50
ドル円
今週は、底固い動きが予想される。つなぎ予算が可決されたことで、目先の政府閉鎖の可能性が後退したことや、FOMCで利上げが確実視されていることから、堅調な動きが考えられる。現状では、利上げ決定はほぼ織り込まれており、マーケットでは、FOMCメンバーの経済・政策金利見通しに注目が移っている。特に、来年の利上げに前向きとの受け止められる場合には、ドルの一段の上昇も考えられる。ただ、ロシアゲート問題、中東情勢の悪化など懸念材料も残っており、関連する発言や報道には注意したい。
そして、12日には米アラバマ州での上院の補欠選挙が予定されている。同州は共和党地盤とされるが、上院の議席は52対48で共和党が過半数を上回っているが、民主党が勝利すると、過半数ぎりぎりとなり、造反者が出る
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:111.50 - 114.50
来週のドル/円は堅調、中東情勢やロシア疑惑には警戒継続
来週の外為市場で、ドル/円は堅調地合いが予想されている。米国の税制改革期待が維持される中、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの経済・政策金利見通しが来年以降の利上げに前向きと受け止められれば、114円半ばまでの上昇は射程圏内とされる。ただ、中東情勢の悪化や「ロシアゲート」問題など懸念材料はくすぶっており警戒感も残っている。
複数のドル買い材料が重なって114円台に上昇しても、「材料出尽くし感からいったん利益確定や戻り待ちの売りが優勢となる可能性がある」(邦銀)という。トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことに、アラブ諸国が反発を強めていることも懸念材料。リスク回避ムードの高まりで株安・円高となる展開も警戒される。
ユーロ/ドルは、サポートとみられていた1.18ドル前半を割り込んだことで、下値余地がやや拡大している。米国で税制改革の進展や長期金利が上昇すれば、ユーロ売り/ドル買いが強まり1.16ドル台まで下落する可能性があるという。
岡三オンライン証券
武部力也の週間為替相場見通し
予想レンジ:112.00 - 114.35
「黒田続投2023年」対「イエレン最後の利上げ」
■黒田総裁続投なら現策は「2023年」まで続く安倍首相と黒田日銀総裁は、12/5に首相官邸で昼食を取りながら会談を行った。今後の金融情勢に関する内容だったとされる。しかし、黒田総裁が2018年4月8日に任期満了を迎えることから、続投要請や打診、またはお互いの腹の探り合いぐらいはあった、と読むのが普通だろう。筆者は“黒田続投”、と睨んでいる。
理由は2つ。①10/22投開票となった衆院選挙期間中に日経平均株価の水準が“失われた20年”を取り戻し、与党はアベノミクスの成果だと訴えることが出来たこと。②黒田総裁にしてみれば、昨年9月から続けている短期金利マイナス0.1%、長期金利ゼロ%程度とする「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)」政策継続のお墨付きを選挙で得たことである。少なくとも、政治が黒田総裁に勇退を迫る大義名分は見当たらない。
■イエレン最後の利上げと今後
米利上げ確率を示すシカゴFEDウオッチでの12/13・FOMC利上げ確率は90%超(12/8時点)とほぼ織り込み済み。焦点は、来年2月に任期終了となるイエレンFRB議長が今後の利上げペースをどのように示すかだ。
■12/11週のドル円
上値焦点は11/15高値113.51、日足雲上限113.521。超えれば11/14高値113.92、11/9高値114.08、11/7高値114.35意識。11/4高値114.75は望外か。
下値焦点は週足雲上限112.474、12/7安値112.215、11/6安値111.98、11/30安値111.725、200日線維持。下抜けた際は12/1安値111.40、11/29安値111.375を推考。
私見
雇用統計ではそれほど動かずほぼ無風。ドルの上昇基調のまま越週しました。ドル円は引き続き底堅い展開を予想する向きが多く、年末にかけて誰も予想していなかった「まさかの今年最後に 115 円超え?」のような声も出てきています。
時折あるヘッドラインによる急落を見極めて、押し目を狙っていく展開でしょうか。
予想 : 112.00 - 114.70