2017年11月第二週(11月06日~10日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2017年11月第二週(11月06日~10日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
しかし、これでタカ派議長が誕生し、利上げペース加速がドル高を招くとの思惑は沈静化に向かおう。現在、市場が織り込む 18 年末までの利上げ回数は、来月 12 月を含めて約 2.3 回で頭打ちとなっている。これに伴い米 2 年国債の利回りも、1.6%付近で上昇が和らいでいる。
このほか、米国の税制改革への期待も萎んでいる。
但し、少なくとも税制改革実現を要因とするドル高期待も、水を注されることにはなるだろう。このように、足もとではこれまでのドル高要因が剥落したり、期待が後退することなどにより、ドル安圧力がいくらか増す公算が大きい。
この為、来週のドル円も総じて上値は重く、直近高値(10/27の 114.45 や 7/11 の 114.49)を超える場面があっても、115 円台乗せは困難と予想する。
一方、9 月下旬以降のドル高を支えてきたと考えられる年末越えのドル資金需給の逼迫は、昨年の動きを見る限り、今後その度合いをさらに増していく公算が大きい。
加えて、パウエル理事が次期議長として指名されると、米国の正常化プロセスは従来通り、あくまでも漸進的との見方が好感され、世界的に株式相場に追い風が吹く公算が大きい(VIX指数の低下要因)。VIX指数と正の相関性が最も高い円には下押し圧力が加わる可能性が高く、ドル円は下支えされることとなりそうだ。
以上を踏まえると、来週のドル円は、上値が重い一方、下値も堅いと考えられる。結果的に方向感が出にくい時間帯が続くと予想する。
初来日するトランプ米大統領が、日米間で隔たりがある通商問題で圧力を行使することが警戒される。自由貿易協定(FTA)に後ろ向きな日本に2国間交渉を求めてくれば、ドル/円の下押し材料となりそうだ。一方、日米株価が続伸し米長期金利が低迷から脱せば、ドル買いに弾みがつくと予想される。
トランプ米大統領は11月5日から3日間の日程で初来日する。日米首脳は、強固な同盟関係を内外に示し、核・ミサイル開発を加速する北朝鮮をけん制する見通しだ。
ドル/円と高相関を保つ米長期金利の動向も注目される。米10年国債利回りは10月27日に2.477%と、3月以来7カ月ぶりの水準に上昇、ドルも114.45円まで上値を伸ばした。
安倍首相は11/1に第4次安倍内閣を発足させた。全閣僚再任と経済最優先で取り組むことを表明し、アベノミクスは再スタートを切った。前出の発言もあるが、筆者が黒田続投の意向を感じた最大の理由は、“失われた20年”での株安を衆院選挙期間中に取り戻したことだ。
有権者に“アベノミクス≒円高抑制・デフレ脱却・異次元緩和の効果”を見せつけたのである。永田町関係者からは「自公圧勝の影の功労者」と、些か持ち上げ気味の評価ではあるが、安倍首相が日銀総裁を交代させる可能性は低いのではないか。
■11/6週ドル円■
上値焦点は週足ボリ+2σの114.726、3/15高値114.90。節目の115.00は輸出企業が1ドル115円のコールオプション売りと110円プットオプション買いを組み合わせた「レンジフォワード」の設定上眼となるが、上抜ければ3/14高値115.205、3/10高値115.52を意識。月足雲上限116.094が期待値か。
下値焦点は11/1安値113.595、10/31安値112.945。割れると10/20安値112.51、週足一目雲上限112.325維持が問われようか。
週明けは新生 パウエル FRB 議長誕生によるダウの流れを引き継いで日経はさらなる上昇を見せそうですが、トランプ大統領来日や、週末や来週以降に北のリスクが再び顕在化しなければ、それなりに堅調な動きとなるのでしょうか。
予想 : 111.50 - 115.00
経済指標一覧(日本時間)
11/06(月)米 冬時間へ移行
- 08:50(日) 日銀 金融政策決定会合 議事要旨
- 10:00(日) 黒田 日銀総裁 発言
- 19:00(欧) 9月 卸売物価指数(PPI)
11/07(火)
- 12:30(豪) 豪準備銀行 政策金利発表 ☆☆
- 19:00(欧) 9月 小売売上高
- 23:00(米) 9月 消費者信用残高
11/08(水)
- 特に重要な経済指標の発表なし
11/09(木)
- 05:00(NZ) ニュージーランド準備銀行(RBNZ) 政策金利 ☆☆
- 18:30(英) 9月 鉱工業生産指数,製造業生産指数
- 22:30(米) 前週分 新規失業保険申請件数
11/10(金)オプションSQ
- 特に重要な経済指標の発表なし
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Weekly
予想レンジ:112.00 - 115.00
上値は重いながらも底堅さ増す見込み
FRBの次期議長としてハト派とされているパウエル現FRB理事が指名されると一斉に報じられている。しかし、これでタカ派議長が誕生し、利上げペース加速がドル高を招くとの思惑は沈静化に向かおう。現在、市場が織り込む 18 年末までの利上げ回数は、来月 12 月を含めて約 2.3 回で頭打ちとなっている。これに伴い米 2 年国債の利回りも、1.6%付近で上昇が和らいでいる。
このほか、米国の税制改革への期待も萎んでいる。
但し、少なくとも税制改革実現を要因とするドル高期待も、水を注されることにはなるだろう。このように、足もとではこれまでのドル高要因が剥落したり、期待が後退することなどにより、ドル安圧力がいくらか増す公算が大きい。
この為、来週のドル円も総じて上値は重く、直近高値(10/27の 114.45 や 7/11 の 114.49)を超える場面があっても、115 円台乗せは困難と予想する。
一方、9 月下旬以降のドル高を支えてきたと考えられる年末越えのドル資金需給の逼迫は、昨年の動きを見る限り、今後その度合いをさらに増していく公算が大きい。
加えて、パウエル理事が次期議長として指名されると、米国の正常化プロセスは従来通り、あくまでも漸進的との見方が好感され、世界的に株式相場に追い風が吹く公算が大きい(VIX指数の低下要因)。VIX指数と正の相関性が最も高い円には下押し圧力が加わる可能性が高く、ドル円は下支えされることとなりそうだ。
以上を踏まえると、来週のドル円は、上値が重い一方、下値も堅いと考えられる。結果的に方向感が出にくい時間帯が続くと予想する。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:112.50 - 115.50
来週はドルのボラティリティー上昇も、米大統領来日で通商圧力に警戒
来週の外為市場で、ドル/円はボラティリティーが上昇する可能性がある。初来日するトランプ米大統領が、日米間で隔たりがある通商問題で圧力を行使することが警戒される。自由貿易協定(FTA)に後ろ向きな日本に2国間交渉を求めてくれば、ドル/円の下押し材料となりそうだ。一方、日米株価が続伸し米長期金利が低迷から脱せば、ドル買いに弾みがつくと予想される。
トランプ米大統領は11月5日から3日間の日程で初来日する。日米首脳は、強固な同盟関係を内外に示し、核・ミサイル開発を加速する北朝鮮をけん制する見通しだ。
ドル/円と高相関を保つ米長期金利の動向も注目される。米10年国債利回りは10月27日に2.477%と、3月以来7カ月ぶりの水準に上昇、ドルも114.45円まで上値を伸ばした。
岡三オンライン証券
武部力也の週間為替相場見通し
予想レンジ:112.50 - 115.20
安倍内閣・日銀黒田続投でも円安が強まらない理由
■黒田続投でも円安加速には疑問■安倍首相は11/1に第4次安倍内閣を発足させた。全閣僚再任と経済最優先で取り組むことを表明し、アベノミクスは再スタートを切った。前出の発言もあるが、筆者が黒田続投の意向を感じた最大の理由は、“失われた20年”での株安を衆院選挙期間中に取り戻したことだ。
有権者に“アベノミクス≒円高抑制・デフレ脱却・異次元緩和の効果”を見せつけたのである。永田町関係者からは「自公圧勝の影の功労者」と、些か持ち上げ気味の評価ではあるが、安倍首相が日銀総裁を交代させる可能性は低いのではないか。
■11/6週ドル円■
上値焦点は週足ボリ+2σの114.726、3/15高値114.90。節目の115.00は輸出企業が1ドル115円のコールオプション売りと110円プットオプション買いを組み合わせた「レンジフォワード」の設定上眼となるが、上抜ければ3/14高値115.205、3/10高値115.52を意識。月足雲上限116.094が期待値か。
下値焦点は11/1安値113.595、10/31安値112.945。割れると10/20安値112.51、週足一目雲上限112.325維持が問われようか。
私見
ドル円は 114 円に乗せたものの、やはり上値は相当に重く、すぐに上昇が息切れする状態です。しかし、下に走るかと思えば下は下で 113 円が固かったりと、値幅が狭く、取りづらい展開が続いています。週明けは新生 パウエル FRB 議長誕生によるダウの流れを引き継いで日経はさらなる上昇を見せそうですが、トランプ大統領来日や、週末や来週以降に北のリスクが再び顕在化しなければ、それなりに堅調な動きとなるのでしょうか。
予想 : 111.50 - 115.00