2017 年 4 月 第四週(4月24日から28日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2017 年 4 月 第四週(4月24日から28日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
一方、米国では決算発表が本格化するなか、3月シカゴ連銀全米活動指数、3月新築住宅販売件数、4月CB(コンファレンスボード)消費者信頼感指数、3月耐久財受注、3月中古住宅販売仮契約、1-3月期GDP速報値などが発表される。28日が米国政府の暫定予算期限であることと合わせ注視したい。
ドル・円の予想レンジは、仏大統領選で決選投票にマクロン氏が残ることを前提に1ドル=108円00銭-110円50銭としたい。20日にドル・円が8営業日ぶりに5日移動平均線を上回り、25日線とのミニ・ゴールデンクロス(GC)が意識されるなか、戻りを試したいところだが、北朝鮮等の地政学リスクがくすぶっていることもあり上値は限定されそう。
23日に仏大統領選の第1回投票があり、日本時間の週明け24日に大勢が判明する。決選投票に進むのが中道マクロン氏と反欧州連合(EU)を掲げる極右ルペン氏という有力シナリオの通りなら、いったんリスク回避は後退し、円買いポジションの巻き戻しが進むとみられている。
マクロン氏と保守フィヨン氏の組み合わせなら、さらにリスク回避ムードは後退しやすい。一方、ルペン氏と急進左派メランション氏なら「リスク回避の機運が一気に高まる」(国内証券)とされ、ドル/円の下落は深まりそうだ。
週前半にも米空母カール・ビンソンが朝鮮半島近海に到着するとみられるほか、25日は北朝鮮・朝鮮人民軍の創設記念日となる。
市場では、北朝鮮による核・ミサイル実験への警戒感が根強いほか、米国がミサイル迎撃実験を実施の意向と伝わっており、双方の動向を伝える報道には引き続き相場が振られやすいとみられている。
日欧では中銀会合が予定されている。26─27日に日銀金融政策決定会合、27日に欧州中銀(ECB)理事会と、いずれも金融政策は現状維持と見られ、声明や会見でも「出口戦略へのヒントは期待しにくい」(国内金融機関)という。
現時点では、武力衝突にまで至るとする見方は少ないものの、北朝鮮がミサイルを試射した場合、米軍がこれを撃墜することも検討しているとされ、朝鮮半島情勢は一段と緊迫化するおそれがある。
当面の間、ドル円の上値を抑えたり、下押しする材料として意識されそうだ。
来週は、トランプ米大統領の就任(1/20)から 100 日目を迎える(4/29)。
足もとでは既にトランプ米大統領の政策遂行力への疑念が生じており、法案化が実現しないまま 4 月末を向かえたところで、改めてドルを売り込む動きにはならないだろう。
仏大統領選後、緊張が和らげば、一時的なドル円の反発が見込めるが、下押し材料が多い。米国が 3月に利上げを実施した後、シリアへのミサイル攻撃に踏み切る前に既に 110 円割れ目前まで下落したことに鑑みれば、ドル円の地合いは悪い。
ドル円浮上に必要なのは、①米国の利上げペースの加速、②利上げペース加速(およびバランスシートの縮小)でも減速することのない米経済成長、③トランプ政権の政策期待から実現への転換が必要だろう。
但し、足もとではいずれも可能性は低いとみられ、引き続きドル円の上値は重く、下値不安を抱える時間帯が続くと予想する。
米雇用基調の堅調さは認められるが、消費基調は鈍化傾向にあり、3月消費者物価指数(CPI)は昨年2月以降で初めて前月比で低下した。1982年以来の大幅な下げでもあり、4/28の米1-3月期GDP速報値次第ではFRBの次の一手を抑制するデータになりかねない。シカゴFEDウオッチでの6月FOMC利上げ確率54.9(4/20時点)に影響する可能性も留意しておきたい。
ドル円上値焦点は4/12高値109.88。超えれば4/11欧米市場での下落帯109.90-110.70、4/11高値110.90、週足一目均衡表雲帯上限110.982。超えれば4/3、10高値111.60。下値焦点は月足一目均衡表雲上限108.986、200日線推移の108.78圏、4/18-19安値108.31-37、4/17安値108.12。昨年11/15安値107.76が割れると11/14安値106.725、11/11安値106.041維持が問われる。
ドル円に関しては、ドルの弱さからなかなか上昇してきませんが、こちらも 109 円をしっかり守っており、110 円程度の反発はありそうです。110 円半ばをしっかりつけてくれば、5 月以降もやや持ち直しの動きが出るかもしれません。
ただ、本邦は GW を控えていること、北朝鮮地政学リスクがくすぶっている中では、週後半は手仕舞いの流れも出てくると予想します。
予想 : 108.20 - 110.50
経済指標一覧(日本時間)
04/24(月)
- 14:00(日) 2月 景気先行指数(CI)
04/25(火)豪・NZ休場 アンザックデー
- 22:00(米) 2月 ケース・シラー米住宅価格指数
- 23:00(米) 3月 新築住宅販売件数
- 23:00(米) 4月 消費者信頼感指数(コンファレンスボード)
- 23:00(米) 4月 リッチモンド連銀製造業指数
04/26(水)
- 未定(日) 日銀・金融政策決定会合(一日目)
- 10:30(豪) 1-3月 四半期消費者物価(CPI)
04/27(木)南ア休場・自由の日
- 未定(日) 日銀・金融政策決定会合 政策金利
- 15:30(日) 黒田日銀総裁 定例記者会見
- 20:45(欧) 欧州中央銀行(ECB)政策金利
- 21:30(欧) ドラギ ECB 総裁 定例記者会見
- 21:30(米) 前週分 新規新規失業保険申請件数
04/28(金)
- 07:45(NZ) 3月 貿易収支
- 08:30(日) 3月 失業率,有効求人倍率
- 08:30(日) 3月 全国消費者物価指数(CPI)
- 10:30(豪) 1-3月 四半期卸売物価指数(PPI)
- 17:30(英) 1-3月 四半期国内総生産(GDP)★★
- 18:00(欧) 4月 消費者物価指数(HICP)★★
- 21:30(米) 1-3月 四半期実質国内総生産(GDP)
- 22:45(米) 4月 シカゴ購買部協会景気指数
今週のドル円予想レンジ予想
モーニングスター
地政学リスクがくすぶるなか、仏大統領選が実施
108.00 - 110.50
来週の東京外国為替市場見通し (2017/04/21)目先の焦点は23日の仏大統領選第1回投票。決選投票にマクロン氏(無所属)が残れず、ルペン氏(国民戦線)とメランション氏(左派党)が残った場合、両氏ともEU(欧州連合)離脱派のため、為替相場への影響は不可避となりそう。
一方、米国では決算発表が本格化するなか、3月シカゴ連銀全米活動指数、3月新築住宅販売件数、4月CB(コンファレンスボード)消費者信頼感指数、3月耐久財受注、3月中古住宅販売仮契約、1-3月期GDP速報値などが発表される。28日が米国政府の暫定予算期限であることと合わせ注視したい。
ドル・円の予想レンジは、仏大統領選で決選投票にマクロン氏が残ることを前提に1ドル=108円00銭-110円50銭としたい。20日にドル・円が8営業日ぶりに5日移動平均線を上回り、25日線とのミニ・ゴールデンクロス(GC)が意識されるなか、戻りを試したいところだが、北朝鮮等の地政学リスクがくすぶっていることもあり上値は限定されそう。
ロイター
強気と弱気が綱引き、仏選挙・地政学リスクにらみ
107.50 - 110.50
来週の外為市場 (2017/04/21)来週の外為市場でドル/円は、複数のリスクイベントを前に強気と弱気の綱引きが続くとみられる。仏大統領選挙や北朝鮮を巡る地政学リスクの先行き不透明感が続くほか、週後半にかけては米暫定予算の行方にも関心が寄せられそうだ。
23日に仏大統領選の第1回投票があり、日本時間の週明け24日に大勢が判明する。決選投票に進むのが中道マクロン氏と反欧州連合(EU)を掲げる極右ルペン氏という有力シナリオの通りなら、いったんリスク回避は後退し、円買いポジションの巻き戻しが進むとみられている。
マクロン氏と保守フィヨン氏の組み合わせなら、さらにリスク回避ムードは後退しやすい。一方、ルペン氏と急進左派メランション氏なら「リスク回避の機運が一気に高まる」(国内証券)とされ、ドル/円の下落は深まりそうだ。
週前半にも米空母カール・ビンソンが朝鮮半島近海に到着するとみられるほか、25日は北朝鮮・朝鮮人民軍の創設記念日となる。
市場では、北朝鮮による核・ミサイル実験への警戒感が根強いほか、米国がミサイル迎撃実験を実施の意向と伝わっており、双方の動向を伝える報道には引き続き相場が振られやすいとみられている。
日欧では中銀会合が予定されている。26─27日に日銀金融政策決定会合、27日に欧州中銀(ECB)理事会と、いずれも金融政策は現状維持と見られ、声明や会見でも「出口戦略へのヒントは期待しにくい」(国内金融機関)という。
三菱東京UFJ銀行
仏大統領選後も目立つドル安円高材料
107.00 - 110.50
FX Weekly(2017/04/21)地政学リスクの中でも、朝鮮半島情勢に関する先行き不透明感は燻ったままだ。
現時点では、武力衝突にまで至るとする見方は少ないものの、北朝鮮がミサイルを試射した場合、米軍がこれを撃墜することも検討しているとされ、朝鮮半島情勢は一段と緊迫化するおそれがある。
当面の間、ドル円の上値を抑えたり、下押しする材料として意識されそうだ。
来週は、トランプ米大統領の就任(1/20)から 100 日目を迎える(4/29)。
足もとでは既にトランプ米大統領の政策遂行力への疑念が生じており、法案化が実現しないまま 4 月末を向かえたところで、改めてドルを売り込む動きにはならないだろう。
仏大統領選後、緊張が和らげば、一時的なドル円の反発が見込めるが、下押し材料が多い。米国が 3月に利上げを実施した後、シリアへのミサイル攻撃に踏み切る前に既に 110 円割れ目前まで下落したことに鑑みれば、ドル円の地合いは悪い。
ドル円浮上に必要なのは、①米国の利上げペースの加速、②利上げペース加速(およびバランスシートの縮小)でも減速することのない米経済成長、③トランプ政権の政策期待から実現への転換が必要だろう。
但し、足もとではいずれも可能性は低いとみられ、引き続きドル円の上値は重く、下値不安を抱える時間帯が続くと予想する。
岡三オンライン証券
トランプ政権100日をドル円が検証する展開
108.20 - 111.00
武部力也の週間為替相場見通し(2017/04/21)政権最初の100日間はトランプ公約の実現性が注視された。しかし中国への為替操作国指定は放棄され、医療保険制度改革(オバマケア)は失敗。大統領令の入国制限は米航空便削減や観光業への打撃となって跳ね返り、経済的な評価は芳しくない。シリア空爆や北朝鮮への強硬姿勢は人道・外交面で点数を稼いだ観だが、市場ではリスク回避圧力を強めた。日米同盟の堅持以外、筆者にはプラスのイメージがわかない。
米雇用基調の堅調さは認められるが、消費基調は鈍化傾向にあり、3月消費者物価指数(CPI)は昨年2月以降で初めて前月比で低下した。1982年以来の大幅な下げでもあり、4/28の米1-3月期GDP速報値次第ではFRBの次の一手を抑制するデータになりかねない。シカゴFEDウオッチでの6月FOMC利上げ確率54.9(4/20時点)に影響する可能性も留意しておきたい。
ドル円上値焦点は4/12高値109.88。超えれば4/11欧米市場での下落帯109.90-110.70、4/11高値110.90、週足一目均衡表雲帯上限110.982。超えれば4/3、10高値111.60。下値焦点は月足一目均衡表雲上限108.986、200日線推移の108.78圏、4/18-19安値108.31-37、4/17安値108.12。昨年11/15安値107.76が割れると11/14安値106.725、11/11安値106.041維持が問われる。
私見
フランス大統領選挙の結果により流れができてくると思われますが、ユーロに関してはじわじわと強気に傾いてきています。大統領選挙の結果が最悪なものとならない限り、強気ムードに流れる雰囲気を感じます。ドル円に関しては、ドルの弱さからなかなか上昇してきませんが、こちらも 109 円をしっかり守っており、110 円程度の反発はありそうです。110 円半ばをしっかりつけてくれば、5 月以降もやや持ち直しの動きが出るかもしれません。
ただ、本邦は GW を控えていること、北朝鮮地政学リスクがくすぶっている中では、週後半は手仕舞いの流れも出てくると予想します。
予想 : 108.20 - 110.50