11月14日から18日までの、ドル円相場に関連がある経済指標のまとめとマーケットの今を考察します。
11月14日から18日までの、ドル円相場に関連がある経済指標のまとめとマーケットの今を考察します。
目先は依然、12月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ決定を見込む声が市場で大勢を占めるが、その後は米金融政策の正常化路線が滞る可能性も意識され、今後予定される複数のFRB高官の講演内容には一層の注目が寄せられそうだ。
一方、足元で上昇基調を強める米金利動向には目を光らせたい。トランプ氏の政策に基づく財政支出拡大観測が、インフレ期待や米国の財政悪化懸念による米債券価格の下押し要因となっており、米長期金利は大統領選挙が実施された9日に16年1月以来の2%台乗せ。短期的には日米金利差拡大がドル高・円安材料として意識されよう。
ドル・円はテクニカル的に重要なポイントに差し掛かっている。11月10日に、2月以来となる200日移動平均線にタッチ。2月は同線に跳ね返され、その後ドル安・円高が進んだ。一方で、同線を明確に越えてくれば、目先はチャート上で、心理的フシとなる1ドル=110円台奪回をにらむ展開が見込まれる。下値は、米大統領選挙前の1ドル=105円近辺。
史上最高値を更新した米国株はもとより「ファンダメンタルズに全く裏打ちされない米長期金利の大幅上昇には特に注意が必要で、急反落の余地もあるとみている」とトウキョウフォレックス上田ハーロー営業推進室、室長代理の阪井勇蔵氏は言う。
トランプ氏の勝利が明らかになった9日以降の主要G10、新興国通貨の動向では、英ポンドと米ドルの強さが目立つ一方で、メキシコペソ、ブラジルレアル、南アランド、トルコリラなどの弱さが顕著だ。
米長期金利が大幅上昇する中での新興国通貨安は2013年5月のバーナンキショックをほうふつとさせるが、「当時に比べて新興国通貨のロングポジションは蓄積しておらず、過大評価もされていないので、新興国通貨売りのマグニチュードは当時ほど大きくならないと予想する」(棚瀬氏)。
17日には米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が議会証言する予定で、大統領選の予想外の結果が米金融政策に及ぼす影響をめぐって注目される。
菅官房長官は安倍首相がトランプ氏と11/10に電話会談し、11/17にNYで会談する方向で調整していることを明らかにした。国際政治銘柄とも言えるドル円は、政治に突き動かされて帰趨する可能性が高く、11/17の「アベ・トラ会談」でどのような同盟関係が示されるかが重要と考えられるからだ。
1年前の11/17、イエレンFRB議長は米下院要人らに書簡を送付し、FRBに対する議会の監督強化法案「FRB監査法」を採択しないよう要請した
トランプ氏は同法案成立には積極的だ。FRBの独立性を脅かし、再度イエレン氏の処遇に言及した場合は、ドル売り警戒となる。
一方で金融規制緩和に意欲的だ。新財務長官にウォール街に精通する候補ら挙がるなどの現実路線や、来年1月の大統領就任後のハネムーン期間(100日間)に巨額減税を柱とする経済再生策を断行する姿勢を市場は好感視している。
11/14週のドル円はテクニカル観点では月足一目転換106.365、200日線106.565に注視。通貨オプション市場からは1ドル108-110円コールの対応も指摘されているが、まずは、7/21高値107.505、6/9高値107.915超が課題。
超えれば6/3高値109.15が視野。下値焦点は106円台維持、11/10東京正午時の戻り安値圏105.00-20。割れると11/10安値104.945、20日線推移の104.50圏を推考。下抜ければ11/9東京時間21時頃の戻り安値103.00圏が試されそうだ。
正式な大統領への就任前でもあり、踏み込んだ議論というより、日米同盟関係の重要性を再確認するなどにとどまる公算が大きい。
但し、仮に安倍政権下で進んだ円安に注文が付くようなことがあれば、今後の日銀の金融緩和に対する思わぬ逆風とみなされかねない。一方、これまでの政策への賛同を得ると、トランプ新政権も通貨安志向を強める可能性が改めて意識されかねない。
どちらに転んでも若干のドル安円高リスクをはらんだイベントとなり得る点に留意が必要だろう。
折りしも麻生財務相は 10 日の国会答弁にて、「為替介入は、よほどのことがない限り、控えるべき」と発言。足元では大幅な円安が進行している中とあって、さほど材料視されていない。しかし、先週も指摘した通り、日銀の金融緩和メニューに円高抑制効果を期待しにくいことと合わせると、円高が進行した際の政策面での防衛能力は政府・日銀ともに決して高くない。
来週すぐということではないだろうが、大統領選といったテーマによるドル買いが一巡した後の調整局面では、この点に警戒が必要だ。
目下、ドル円は長期国債の金利上昇で急上昇、ということで、為替も株式も完全リスクオンモード全開です。ドル円も、20 銭下がろうものなら猛烈に買ってくる向きが多いです。
乗り遅れるな、とばかりに。
そういう流れにあるなかでは文字通り「同じ阿呆なら踊らな損々」となってしまいます。
ボラティリティも非常に高く、ショートをしようものならて数十秒後にいきなり大損、ということも多かったですねw
テクニカル的にも大き気なポイントを抜けてきていますが、果たしてどこまでそれが続くのかには引き続き警戒が必要になってくるのではないでしょうか。
予想 : 105.50 - 108.50
経済指標
11/14(月)
- 08:50 (日) 7-9 月期四半期実質国内総生産(GDP)★★
- 10:00 (日) 黒田日銀総裁 発言
- 11:00 (中) 10 月 鉱工業生産・小売売上高
- 24:00 (欧) ドラギ ECB 総裁 発言
11/15(火)
- 22:30 (米) 10 月 小売売上高
- 22:30 (米) 11 月 ニューヨーク連銀製造業景気指数
11/16(水)
- 21:00 (米) MBA 住宅ローン申請件数(前週比)
- 22:30 (米) 10 月 卸売物価指数(PPI)
- 24:30 (米) 11 月 NAHB 住宅市場指数
11/17(木)
- 22:30(米) 10 月 消費者物価指数(CPI)
- 22:30(米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 22:30(米) 11 月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数
- 24:00(米) イエレン FRB 議長発言
11/18(金)
- 17:00(欧) ドラギ ECB 総裁 発言
- 24:00(米) 10 月 景気先行指標総合指数
今週のドル円予想レンジ予想
モーニングスター
「トランプ政権」織り込む相場続く、米長期金利の動向注視
105.00 - 110.00
来週の東京外国為替市場見通し (2016/11/11 18:57)ドル・円は当面、トランプ氏の次期米大統領当選の影響を織り込む相場展開が続こう。
目先は依然、12月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ決定を見込む声が市場で大勢を占めるが、その後は米金融政策の正常化路線が滞る可能性も意識され、今後予定される複数のFRB高官の講演内容には一層の注目が寄せられそうだ。
一方、足元で上昇基調を強める米金利動向には目を光らせたい。トランプ氏の政策に基づく財政支出拡大観測が、インフレ期待や米国の財政悪化懸念による米債券価格の下押し要因となっており、米長期金利は大統領選挙が実施された9日に16年1月以来の2%台乗せ。短期的には日米金利差拡大がドル高・円安材料として意識されよう。
ドル・円はテクニカル的に重要なポイントに差し掛かっている。11月10日に、2月以来となる200日移動平均線にタッチ。2月は同線に跳ね返され、その後ドル安・円高が進んだ。一方で、同線を明確に越えてくれば、目先はチャート上で、心理的フシとなる1ドル=110円台奪回をにらむ展開が見込まれる。下値は、米大統領選挙前の1ドル=105円近辺。
ロイター
ユーフォリアからさめドル安のリスクも
105.50 - 108.50
来週の外為市場 (2016/11/11 15:36)来週の外為市場でドル/円は、米大統領選後のユーフォリア(幸福感)が続きドル高バイアスが維持されるとの見方がある一方で、「トランプ・リスクオン」と呼ばれるリスク資産買いが一巡して巻き戻される可能性と、それに伴う株安/ドル安も意識されている。
史上最高値を更新した米国株はもとより「ファンダメンタルズに全く裏打ちされない米長期金利の大幅上昇には特に注意が必要で、急反落の余地もあるとみている」とトウキョウフォレックス上田ハーロー営業推進室、室長代理の阪井勇蔵氏は言う。
トランプ氏の勝利が明らかになった9日以降の主要G10、新興国通貨の動向では、英ポンドと米ドルの強さが目立つ一方で、メキシコペソ、ブラジルレアル、南アランド、トルコリラなどの弱さが顕著だ。
米長期金利が大幅上昇する中での新興国通貨安は2013年5月のバーナンキショックをほうふつとさせるが、「当時に比べて新興国通貨のロングポジションは蓄積しておらず、過大評価もされていないので、新興国通貨売りのマグニチュードは当時ほど大きくならないと予想する」(棚瀬氏)。
17日には米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が議会証言する予定で、大統領選の予想外の結果が米金融政策に及ぼす影響をめぐって注目される。
岡三オンライン証券
「トランプ勝利宣言」後のドル円方程式に悩む展開
105.00 - 109.00
武部力也の週間為替相場見通し(2016/11/11)積極財政・インフラ投資も明言したことで株価急騰、金と債券は急落。米10年債利回りやドルインデックスが上昇し、ドル円の11/10終値は106.85に。予見性の低いトランプ氏に対しリスク回避を強めていたのが緩み、反転巻き戻しとなったのだ。
菅官房長官は安倍首相がトランプ氏と11/10に電話会談し、11/17にNYで会談する方向で調整していることを明らかにした。国際政治銘柄とも言えるドル円は、政治に突き動かされて帰趨する可能性が高く、11/17の「アベ・トラ会談」でどのような同盟関係が示されるかが重要と考えられるからだ。
1年前の11/17、イエレンFRB議長は米下院要人らに書簡を送付し、FRBに対する議会の監督強化法案「FRB監査法」を採択しないよう要請した
トランプ氏は同法案成立には積極的だ。FRBの独立性を脅かし、再度イエレン氏の処遇に言及した場合は、ドル売り警戒となる。
一方で金融規制緩和に意欲的だ。新財務長官にウォール街に精通する候補ら挙がるなどの現実路線や、来年1月の大統領就任後のハネムーン期間(100日間)に巨額減税を柱とする経済再生策を断行する姿勢を市場は好感視している。
11/14週のドル円はテクニカル観点では月足一目転換106.365、200日線106.565に注視。通貨オプション市場からは1ドル108-110円コールの対応も指摘されているが、まずは、7/21高値107.505、6/9高値107.915超が課題。
超えれば6/3高値109.15が視野。下値焦点は106円台維持、11/10東京正午時の戻り安値圏105.00-20。割れると11/10安値104.945、20日線推移の104.50圏を推考。下抜ければ11/9東京時間21時頃の戻り安値103.00圏が試されそうだ。
三菱東京UFJ銀行
ドル全面高ながらも勢いを欠く展開
104.00 - 107.50
FX Weekly(2016/11/11)来週は 17 日に安倍首相がニューヨークでトランプ氏と会談する予定だ。
正式な大統領への就任前でもあり、踏み込んだ議論というより、日米同盟関係の重要性を再確認するなどにとどまる公算が大きい。
但し、仮に安倍政権下で進んだ円安に注文が付くようなことがあれば、今後の日銀の金融緩和に対する思わぬ逆風とみなされかねない。一方、これまでの政策への賛同を得ると、トランプ新政権も通貨安志向を強める可能性が改めて意識されかねない。
どちらに転んでも若干のドル安円高リスクをはらんだイベントとなり得る点に留意が必要だろう。
折りしも麻生財務相は 10 日の国会答弁にて、「為替介入は、よほどのことがない限り、控えるべき」と発言。足元では大幅な円安が進行している中とあって、さほど材料視されていない。しかし、先週も指摘した通り、日銀の金融緩和メニューに円高抑制効果を期待しにくいことと合わせると、円高が進行した際の政策面での防衛能力は政府・日銀ともに決して高くない。
来週すぐということではないだろうが、大統領選といったテーマによるドル買いが一巡した後の調整局面では、この点に警戒が必要だ。
私見
大統領選挙でドル円は一日で大きく動き、かなり疲弊した人も多かったのではないでしょうか。目下、ドル円は長期国債の金利上昇で急上昇、ということで、為替も株式も完全リスクオンモード全開です。ドル円も、20 銭下がろうものなら猛烈に買ってくる向きが多いです。
乗り遅れるな、とばかりに。
そういう流れにあるなかでは文字通り「同じ阿呆なら踊らな損々」となってしまいます。
ボラティリティも非常に高く、ショートをしようものならて数十秒後にいきなり大損、ということも多かったですねw
テクニカル的にも大き気なポイントを抜けてきていますが、果たしてどこまでそれが続くのかには引き続き警戒が必要になってくるのではないでしょうか。
予想 : 105.50 - 108.50