2月22日から2月26日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
2月22日から2月26日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
ドル・円は、2月11日の安値1ドル=110円97銭が意識される一方、16日に付けた1ドル=114円87銭近辺で一時もみ合いとなっており、心理的なフシとなる115円が抵抗ラインとなりそうだ。
米経済減速への懸念から、米追加利上げへの思惑はドル/円の押し上げに働くほどには高まっておらず、上値では戻り売りも出やすい。来週末に控えるG20に向けては思惑が交錯し、相場が不安定になりやすいとの指摘も出ている。
26─27日には20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。相場混乱を受けた政策協調への期待が相場を支えるとの見方がある一方、「各国の置かれた状況はそれぞれ異なり、同床異夢」(別の国内金融機関)との見方も出ている。「失望する結果に警戒する必要がある」(あおぞら銀行の市場商品部部長、諸我晃氏)との指摘も聞かれる。週後半は、こうした思惑の揺れから、相場も不安定になりそうだという。
日本では3月の本決算を前に、2月に外債投資に絡む償還や利払いが集中する傾向が ある。中旬までに円転(外貨売り・円買い)がある程度出たかもしれないが、月末にか けてまだその余地は残るとみられ、ドル・円はじめクロス円の上値はやや重くなると の認識も必要になりそうだ。
ドル円の上値は重いか。10-12月国内総生産(GDP)1次速報値は前期比-0.4%(年率換算-1.4%)と振るわなかった。政府が指摘した通りに暖冬の影響で冬物衣料の販売が落ち込んだのは事実だが、耐久財の不振も続くなど、後ずれした計画を消化した民間設備投資以外の主要項目は総じて弱かった。景気への波及効果は別として、日銀によるマイナス金利幅の段階的な引き下げは常に視野に入る。
今週発表された1月の米鉱工業生産は予想以上に上振れ、川上のインフレ指標にあたる生産者物価指数は回復の兆しを感じさせる結果だった。一方で1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では経済のダウンサイドリスク拡大やインフレ見通しの不確実性がはっきりと言及されており、市場の3月追加利上げ見送り観測を後押しする内容。次回公表されるメンバーの金利予測も下方修正されそうで、政策面を背景にドル高が盛り返す期待は持ちづらい。
2/11東京市場祝日の夕刻、ドル円は一時110.98円とした円高圧力の増幅を見せ、翌2/12は昼刻を挟んで黒田日銀総裁、そして財務省の浅川財務官が首相官邸入りしている。2/15午前の衆院予算委で「必要に応じて適切に対応してもらいたい」「財務相には引き続きしっかりとみてもらいたい」とした安倍首相自らの言及である。これは事実上の円高阻止宣言と読みとれる明確な意志だ。
円安誘因には国際配慮か
今後のポイントは一点。足元、低ボラティリティモードの中での円売り介入・円安誘因を執行した際の大義名分を、国際社会でどのように説明するかだ。無論、綺麗ごとではなく、国益重視、為政者の決断、と言えばそれまでだが、ことは為替操作である。米国の了解は取り付け済みとしても2/26-27は中国・上海でG20・財務相・中央銀行総裁会議が予定されている。国際協調も重視する我が国が特定水準で実力行使を先鋭化させれば、非難は勿論、通貨安競争を煽りかねない。
ドル円下値焦点は、2/12安値111.685と示現後の戻り安値112.10。同水準を下抜けると2/11安値110.985。当局牽制が強まりそうな価格帯は2014/10/31の節目110.80-50-20と推考。上値焦点は2/18高値114.34、2/17高値114.52。越えれば2/16高値圏114.70-89。週足雲下限115.42意識だと自律的な115円台回帰は難儀だろう。
追加緩和期待を受けたユーロ安の圧力は、対ドルより、対円へと向かいやすい地合いだ。当面の間、ドル円固有の下落圧力に、ユーロ円の下落もドル円への下押しとなる可能性が高く、来週もドル円下落に十分な注意が必要だ。
ただ、115 円を回復するのかと思っていましたが、結局 115 円が強力なレジスタンスラインとして意識されているようで、ドル円の頭は非常に重い印象です。週末は特に 113~114 円台のごく狭いレンジでの間をウロウロしており、個人的にはすごくやりづらい相場でした。
来週については、G20 を睨んで週末には波乱が起こる可能性もあります。
年初から大きなリスクシナリオとして意識されている「人民元がいつまだ大幅な切り下げされるのか」について、このタイミングで実行に移される可能性もあるかもしれません。
通常であれば空気を読んでこのタイミングでは波乱は起こさないでしょうが…中国ですからね(笑)。
テクニカル的に感じたのは、上も下も基本的には厚いのですが、やはり下方向に向かう際のスピードは早いな、ということです。
実需の買いはどうしても必要で、節目節目ではある程度戻すのですが、直後にナイアガラが発生するところから、戻り売りを狙っている向きが非常に強いのではないでしょうか。
予想 : 111.50 - 114.40
経済指標
02/22(月)
- 18:00 (欧) 2 月 製造業・サービス業 購買担当者景気指数(PMI)
02/23(火)
- 23:00(米)12 月 ケース・シラー米住宅価格指数
- 24:00(米)1 月 中古住宅販売件数
- 24:00(米)2 月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
- 24:00(米)2 月 リッチモンド連銀製造業指数
02/24(水)
- 21:00 (米) MBA 住宅ローン申請件数
- 24:00 (米) 1 月 新築住宅販売件数 ★★:-4.4%(予)
02/25(木)
- 22:30 (米) 1 月 耐久財受注
- 22:30 (米) 前週分新規失業保険申請件数
- 23:00 (米) 10-12 月期 四半期住宅価格指数
- 23:00 (米) 12 月 住宅価格指数
12/26(金)
- 08:50(日) 1 月 全国消費者物価指数(CPI)
- 22:30(米) 10-12 月期 四半期実質国内総生産(GDP) ★★
- 24:00(米) 1 月 個人消費支出 ★★
- 24:00(米) 2 月 ミシガン大学消費者態度指数・確報値
予想レンジ
モーニングスター
111.00 - 115.00
来週の東京外国為替市場見通し (2016/02/19 17:54)週末26-27日に中国・上海で開催予定のG20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議をにらみながらの相場展開となりそうだ。G20では金融市場の安定化に向けた政策協調などが検討される見通しで、一定の期待感が相場を支えそう。半面、原油価格の動向や中国経済、新興国の資本規制など幅広いテーマが議論されるとみられ、思惑が為替相場を変動させる可能性もある。
ドル・円は、2月11日の安値1ドル=110円97銭が意識される一方、16日に付けた1ドル=114円87銭近辺で一時もみ合いとなっており、心理的なフシとなる115円が抵抗ラインとなりそうだ。
ロイター
112.00 - 115.50
来週の外為市場 (2016/02/19 16:22)来週の外為市場でドル/円は、上値の重い展開が想定される。年初からの荒れ相場は、今週に入っていったん落ち着きが見られたものの、自律反発の範囲とみられている。
米経済減速への懸念から、米追加利上げへの思惑はドル/円の押し上げに働くほどには高まっておらず、上値では戻り売りも出やすい。来週末に控えるG20に向けては思惑が交錯し、相場が不安定になりやすいとの指摘も出ている。
26─27日には20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。相場混乱を受けた政策協調への期待が相場を支えるとの見方がある一方、「各国の置かれた状況はそれぞれ異なり、同床異夢」(別の国内金融機関)との見方も出ている。「失望する結果に警戒する必要がある」(あおぞら銀行の市場商品部部長、諸我晃氏)との指摘も聞かれる。週後半は、こうした思惑の揺れから、相場も不安定になりそうだという。
フィスコ
112.00 - 115.00
為替週間見通し(2016/02/19 15:22)来週のドル・円は底堅い展開が見込まれる。引き続き米国の追加利上げの時期、原 油価格動向、そして、中国の経済情勢と株価動向を主な見所に方向性を探ることにな る。米追加利上げ時期については、市場関係者の大半が3月の可能性は極めて低いと の見方に傾いており、早期追加利上げ観測は後退したままだが、ドル・円相場が急変 する状況ではないとみられる。
日本では3月の本決算を前に、2月に外債投資に絡む償還や利払いが集中する傾向が ある。中旬までに円転(外貨売り・円買い)がある程度出たかもしれないが、月末にか けてまだその余地は残るとみられ、ドル・円はじめクロス円の上値はやや重くなると の認識も必要になりそうだ。
TRADER'S WEB トレーダーズ・ウェブ
110.50 - 116.00
週間為替展望 (2016/02/20 11:10)
- 成長鈍化の要因は暖冬だけにあらず、日銀のマイナス金利幅拡大措置は常に視野に。
- 米当局は利上げ先送りを示唆、円高けん制は支持されずドル円の上値は乏しいか。
ドル円の上値は重いか。10-12月国内総生産(GDP)1次速報値は前期比-0.4%(年率換算-1.4%)と振るわなかった。政府が指摘した通りに暖冬の影響で冬物衣料の販売が落ち込んだのは事実だが、耐久財の不振も続くなど、後ずれした計画を消化した民間設備投資以外の主要項目は総じて弱かった。景気への波及効果は別として、日銀によるマイナス金利幅の段階的な引き下げは常に視野に入る。
今週発表された1月の米鉱工業生産は予想以上に上振れ、川上のインフレ指標にあたる生産者物価指数は回復の兆しを感じさせる結果だった。一方で1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では経済のダウンサイドリスク拡大やインフレ見通しの不確実性がはっきりと言及されており、市場の3月追加利上げ見送り観測を後押しする内容。次回公表されるメンバーの金利予測も下方修正されそうで、政策面を背景にドル高が盛り返す期待は持ちづらい。
岡三オンライン証券
110.50 - 114.40
武部力也の週間為替相場見通し(2016/02/19)
2015 年度の予算が大体 118 ~ 125 円くらいの前提で作られており、2016 年度でも 120 円近傍の仮定が多い中で、気分としては、115 円を切るのは 1 円で数十億円、あるいは 100 億円近く(利益が)変わってしまう会社にとってみれば、少し強すぎるかと思う安倍首相の「円高阻止宣言」
2/11東京市場祝日の夕刻、ドル円は一時110.98円とした円高圧力の増幅を見せ、翌2/12は昼刻を挟んで黒田日銀総裁、そして財務省の浅川財務官が首相官邸入りしている。2/15午前の衆院予算委で「必要に応じて適切に対応してもらいたい」「財務相には引き続きしっかりとみてもらいたい」とした安倍首相自らの言及である。これは事実上の円高阻止宣言と読みとれる明確な意志だ。
円安誘因には国際配慮か
今後のポイントは一点。足元、低ボラティリティモードの中での円売り介入・円安誘因を執行した際の大義名分を、国際社会でどのように説明するかだ。無論、綺麗ごとではなく、国益重視、為政者の決断、と言えばそれまでだが、ことは為替操作である。米国の了解は取り付け済みとしても2/26-27は中国・上海でG20・財務相・中央銀行総裁会議が予定されている。国際協調も重視する我が国が特定水準で実力行使を先鋭化させれば、非難は勿論、通貨安競争を煽りかねない。
ドル円下値焦点は、2/12安値111.685と示現後の戻り安値112.10。同水準を下抜けると2/11安値110.985。当局牽制が強まりそうな価格帯は2014/10/31の節目110.80-50-20と推考。上値焦点は2/18高値114.34、2/17高値114.52。越えれば2/16高値圏114.70-89。週足雲下限115.42意識だと自律的な115円台回帰は難儀だろう。
三菱東京UFJ銀行
111.25 - 114.75
為替週間見通し(2016/02/19)日経平均株価が前週金曜日の終値(14952 円)から、18 日までに最大で約 9%も反発した一方、ドル円の反発はこの間、わずか 1%台(前週末ニューヨークの終値 113.27 と今週の高値 114.87 の比較)。こうした動きを踏まえると、ドル円下落(円高)の背景が、単なるリスク回避的な動きだけではない可能性を強く疑うべきだろう。そして、そのドル円下落の背景は、これまでも指摘の通り、日本の予想実質金利が高止まりしていることや、経常黒字の拡大が効いていよう。特に、時期的にみて配当金などの入金が嵩む時期に入っており、昨年同様なら、これから 4 月にかけ、第一次所得収支の月間の黒字幅は約 2 兆円規模に達すると見込まれる。もちろん全てが円転されるわけではないが、貿易赤字の縮小と合わせ、円転需要の高まりが見込まれ、ドル円には下押し圧力が加わりやすい時間帯が続くだろう。
追加緩和期待を受けたユーロ安の圧力は、対ドルより、対円へと向かいやすい地合いだ。当面の間、ドル円固有の下落圧力に、ユーロ円の下落もドル円への下押しとなる可能性が高く、来週もドル円下落に十分な注意が必要だ。
私見
今週は買い戻しの動きとなりました。春節明けの中国市場にも注目が集まっていましたが、もともとドルが弱くなっていた影響もあり、人民元基準値が上げられた際には素直にドル円は上方向へ動いていました。ただ、115 円を回復するのかと思っていましたが、結局 115 円が強力なレジスタンスラインとして意識されているようで、ドル円の頭は非常に重い印象です。週末は特に 113~114 円台のごく狭いレンジでの間をウロウロしており、個人的にはすごくやりづらい相場でした。
来週については、G20 を睨んで週末には波乱が起こる可能性もあります。
年初から大きなリスクシナリオとして意識されている「人民元がいつまだ大幅な切り下げされるのか」について、このタイミングで実行に移される可能性もあるかもしれません。
通常であれば空気を読んでこのタイミングでは波乱は起こさないでしょうが…中国ですからね(笑)。
テクニカル的に感じたのは、上も下も基本的には厚いのですが、やはり下方向に向かう際のスピードは早いな、ということです。
実需の買いはどうしても必要で、節目節目ではある程度戻すのですが、直後にナイアガラが発生するところから、戻り売りを狙っている向きが非常に強いのではないでしょうか。
予想 : 111.50 - 114.40