2018年9月第5週(9月24日~9月28日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年9月第5週(9月24日~9月28日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
仮に、大きな波乱材料もなく、リスクオン相場が継続する場合、ドル安、円安が継続し、クロス円での円安進行が見込まれる。ドルが弱い為、ドル円の浮力は弱いが、底堅く推移しよう。リスクオンの程度次第では 7月高値 113.18や年初来高値 113.40(1/8)も視野に入る。
但し、週足でみて 2 連騰を数えるドル円は今年に入り、ドル安からドル高へと地合いが転換した 4 月から 5 月の 8 連騰を除き、3 連騰が最長だ。リスクオンが反転した場合の下げ幅も相応に想定しておく必要はあるだろう。
経済データでは設備投資に関わる耐久財受注や製造業の生産、また雇用および個人消費といったところにネガティブな影響はほとんど見られない。むしろ、これだけ通商対立が不透明感を煽ったにも関わらず、景気は強く、7-9 月の米国の実質 GDP は 4-6 月の前期比年率 4.2%に続き 4%台の高成長となる見通し(たとえば、アトランタ連銀の GDPNow)であることから、経済ファンダメンタルズはかなり強い、ということになる。
来週の FOMC の注目点は、利上げ実施の有無ではなく、その後の利上げについてヒントがどう出されるかである。パウエル議長は慎重派であるが、通商対立にも関わらず経済ファンダメンタルズが強く、賃金上昇からインフレ上昇、あるいは金融引き締めの遅れが金融不均衡(バブル)を生むリスク、といったことに留意すれば、利上げペースについてスローダウンの可能性にどの程度言及するのかがマーケットの反応への決め手となろう。
議長の記者会見の内容がこれら双方向ミックスであれば、相場も上下した後は過度に利上げを織り込もうとはしない、と予想される。米 10 年債利回りは 3.10%程度への上昇、ドル円は 112 円台後半、株式相場は上昇、といった辺りが FOMC 後の相場の位置と考える。
過去6週間、ボックス相場が続いているが、近年の外為市場では、ボックス相場の後に高ボラティリティ相場が出現しやすい。
アルゼンチン中央銀行は30日、主要政策金利を45%から60%に引き上げたが、アルゼンチンペソARS=RASLは一時約20%下落し、終値ベースで最安値を更新した。
SMBC日興証券の新興国担当シニアエコノミスト、平山広太氏は「アルゼンチンの通貨危機がグローバルのリスクセンチメントを冷やすことによって、他の新興国市場からの資金流出を加速させている。トルコリラには独自の原因もあるが、南アランドやブラジルレアル、インドルピーなどにはその連想が働いている」とみている。
トルコリラ相場や英国の欧州連合(EU)離脱条件を巡る先行き不透明感は、今週もクロス円での円買いを誘ったが、来週もクロス円での円高圧力に注意が必要だという。
来週だが、FOMCが予定されている。今回はFOMCメンバーの経済見通しや金利見通し(ドット・プロット)、そして、パウエルFRB議長の会見が予定されている。0.25%の利上げが確実視されており、そのこと自体は既に織り込みだ。12月の利上げの可能性も示唆してくるであろう。注目は上記の貿易問題の影響も含めて来年以降どう見ているのかという点。
現在の市場の流れからタカ派な見通しを示すとの予想も出ているが、個人的には中立か、もしくは、慎重姿勢を強調してくるものと思われる。将来の景気後退局面に備えて中立金利までの利上げは主張してくるものと思われるが、他国との金融政策の格差を過度に広げたいとは思わないであろう。
現在の流れからすれば、素直にドル売りの展開が予想されるが、株高の反応が見られれば、ドル円は上値を伸ばすかもしれない。ただし、あくまで円売り・ドル売りであることから、上値抵抗はそれなりにあるものと思われる。来週は日本企業の中間期末でもある。
株が上昇していることもあり、リスクオンのファンダメンタルズがどこまで続くのかが焦点となるでしょう。
チャート上は、長期足の移動平均線もやや上に傾きつつあり、114 円程度までの上昇はありそうにも見えます。一方で、いかにもここでダブルトップを付けそうといえば付けそうで…じゃあどっちなんだ、という話です(笑)。
個人的には、FOMC があるタイミングでこのような流れになっていた場合、下落に転じる可能性を予想します。
ドル円はあまり美味しくないので、ユーロドルに注目しています。
1.13 からのまさかの上昇を見せているので、1.18 を超えて走りだすと面白い展開になってくると思います。
経済指標一覧(日本時間)
9/24(月)
- 休場:中・日・南ア
- 22:00(欧) ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
9/25(火)
- 08:50(日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨
9/26(水)
- 23:00(米) 8月 新築住宅販売件数
- 27:00(米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
- 27:30(米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
9/27(木)
- 06:00(NZ) ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利21:30(米) 4-6月期 四半期実質国内総生産
9/28(金)
- 17:30(英) 4-6月期 四半期国内総生産
- 18:00(欧) 9月 消費者物価指数
- 21:30(米) 8月 個人消費支出
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Weekly
予想レンジ:110.75 - 113.75
リスクオンの持続性
来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。金融危機後、8 度目の政策金利引き上げが確実な情勢だ。市場では既に織り込み済みとなっており、利上げ自体の相場への影響は限定的だろう。仮に、大きな波乱材料もなく、リスクオン相場が継続する場合、ドル安、円安が継続し、クロス円での円安進行が見込まれる。ドルが弱い為、ドル円の浮力は弱いが、底堅く推移しよう。リスクオンの程度次第では 7月高値 113.18や年初来高値 113.40(1/8)も視野に入る。
但し、週足でみて 2 連騰を数えるドル円は今年に入り、ドル安からドル高へと地合いが転換した 4 月から 5 月の 8 連騰を除き、3 連騰が最長だ。リスクオンが反転した場合の下げ幅も相応に想定しておく必要はあるだろう。
三井住友銀行
FOREX WEEKLY
予想レンジ:111.50 - 113.00
ファンダメンタルズ回帰
- 米中の相互追加関税の決定は不透明感を払拭。株式市場はこの展開を好感した。
- 米国の FOMC での今後の利上げについて、FOMC 参加者の金利見通しとパウエル議長の記者会見に注目。
経済データでは設備投資に関わる耐久財受注や製造業の生産、また雇用および個人消費といったところにネガティブな影響はほとんど見られない。むしろ、これだけ通商対立が不透明感を煽ったにも関わらず、景気は強く、7-9 月の米国の実質 GDP は 4-6 月の前期比年率 4.2%に続き 4%台の高成長となる見通し(たとえば、アトランタ連銀の GDPNow)であることから、経済ファンダメンタルズはかなり強い、ということになる。
来週の FOMC の注目点は、利上げ実施の有無ではなく、その後の利上げについてヒントがどう出されるかである。パウエル議長は慎重派であるが、通商対立にも関わらず経済ファンダメンタルズが強く、賃金上昇からインフレ上昇、あるいは金融引き締めの遅れが金融不均衡(バブル)を生むリスク、といったことに留意すれば、利上げペースについてスローダウンの可能性にどの程度言及するのかがマーケットの反応への決め手となろう。
議長の記者会見の内容がこれら双方向ミックスであれば、相場も上下した後は過度に利上げを織り込もうとはしない、と予想される。米 10 年債利回りは 3.10%程度への上昇、ドル円は 112 円台後半、株式相場は上昇、といった辺りが FOMC 後の相場の位置と考える。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:109.50 - 112.00
来週の外為市場、新興国通貨安や米中貿易摩擦で潮目が変わる余地も
来週の外為市場では、不安定な新興国通貨と米中貿易摩擦の先行きが関心を集め、新興国通貨が一段と不安定化し、トランプ大統領が2000億ドル規模の対中追加関税の発動に踏み出せば、リスク回避の動きが強まって円に上昇圧力がかかりそうだ。過去6週間、ボックス相場が続いているが、近年の外為市場では、ボックス相場の後に高ボラティリティ相場が出現しやすい。
アルゼンチン中央銀行は30日、主要政策金利を45%から60%に引き上げたが、アルゼンチンペソARS=RASLは一時約20%下落し、終値ベースで最安値を更新した。
SMBC日興証券の新興国担当シニアエコノミスト、平山広太氏は「アルゼンチンの通貨危機がグローバルのリスクセンチメントを冷やすことによって、他の新興国市場からの資金流出を加速させている。トルコリラには独自の原因もあるが、南アランドやブラジルレアル、インドルピーなどにはその連想が働いている」とみている。
トルコリラ相場や英国の欧州連合(EU)離脱条件を巡る先行き不透明感は、今週もクロス円での円買いを誘ったが、来週もクロス円での円高圧力に注意が必要だという。
Klug FX
とれんど捕物帳
予想レンジ:112.00 - 114.00
まさに“THE市場” なぜドルは上がらない
今週は突然リスク選好の雰囲気が高まりドル円は112円台後半まで上げ幅を拡大した。トレンドも完全に上昇へ転換しており、目先は7月につけた年初来高値113.15円をうかがう展開を見せている。来週だが、FOMCが予定されている。今回はFOMCメンバーの経済見通しや金利見通し(ドット・プロット)、そして、パウエルFRB議長の会見が予定されている。0.25%の利上げが確実視されており、そのこと自体は既に織り込みだ。12月の利上げの可能性も示唆してくるであろう。注目は上記の貿易問題の影響も含めて来年以降どう見ているのかという点。
現在の市場の流れからタカ派な見通しを示すとの予想も出ているが、個人的には中立か、もしくは、慎重姿勢を強調してくるものと思われる。将来の景気後退局面に備えて中立金利までの利上げは主張してくるものと思われるが、他国との金融政策の格差を過度に広げたいとは思わないであろう。
現在の流れからすれば、素直にドル売りの展開が予想されるが、株高の反応が見られれば、ドル円は上値を伸ばすかもしれない。ただし、あくまで円売り・ドル売りであることから、上値抵抗はそれなりにあるものと思われる。来週は日本企業の中間期末でもある。
私見
ファンダメンタルズ VS テクニカル
予想レンジ:111.80 - 113.00ドル円はややリスクオンの動きとなり、一時 113 円付近まで接近したものの失速。
株が上昇していることもあり、リスクオンのファンダメンタルズがどこまで続くのかが焦点となるでしょう。
チャート上は、長期足の移動平均線もやや上に傾きつつあり、114 円程度までの上昇はありそうにも見えます。一方で、いかにもここでダブルトップを付けそうといえば付けそうで…じゃあどっちなんだ、という話です(笑)。
個人的には、FOMC があるタイミングでこのような流れになっていた場合、下落に転じる可能性を予想します。
ドル円はあまり美味しくないので、ユーロドルに注目しています。
1.13 からのまさかの上昇を見せているので、1.18 を超えて走りだすと面白い展開になってくると思います。