2018年1月 第3週(1月15日~19日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年1月 第3週(1月15日~19日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
第 2 次安倍政権発足後、デフレ脱却に向けた円高是正意欲は政府・日銀ともに強い。日銀は、国債買い入れ政策をまだ何年も続けねばならないのが実情だ。国債保有残高に占める日銀の占有率が 4 割を超えている中、長期戦に備えようとすればするほど日銀は今後とも買い入れペースを落としていかざるを得ないだろう。
米ドルの冴えない動きも続く公算が大きい。市場が見込む3 月の米利上げ確率が既に 8 割を超え、長期金利も一時は昨年 3 月以来となる 2.6%近傍まで上昇。相応のドル高材料が揃っていたとも映るが、それでもドル安が進んだ事実は重い。
米経済はこれまでのところ好調を維持している上、ドル安円高が一段と進めば、本邦からの対外投資意欲が高まり、ドル円は下支えされようが、来週も引き続きドル円のダウンサイドリスクに要注意だ。
そして、15 日と 19 日に日銀の買い入れオペが予定されており、量的緩和縮小の思惑が燻る中であることから、注目が集まっている。ここで減額となるようなら、量的緩和縮小への思惑が一気に高まる可能性もあるだろう。週明けは、米国市場が休場となるが、その後は製造業や住宅関連の米経済指標の発表が予定されていることから、結果には注目したい。
日銀は15日と19日に中長期債・超長期債の買い入れオペを実施する予定。「減額は予想しないが、日銀から明確なメッセージがない限りは海外勢を中心にテーパリングの思惑がくすぶる」(国内金融機関)との声も聞かれ、投機筋や短期筋によるドル/円の下値攻めが警戒される。
ドルの下値のチャートポイントである110.85円(昨年11月安値)を割り込めば、110円ちょうどまで目ぼしいサポートは見当たらない。「ロケットスタートした日経平均も気掛かり。株価が下がる時には為替も追随しやすい」(大手邦銀)といい、日本株に大きめの調整が入ればドル/円も下押しされそうだ。
ユーロは堅調推移が見込まれる。11日に公表された昨年12月開催の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨で、ECBが今年初めに政策メッセージの微調整に着手する可能性が浮上。ユーロ/ドルは1.20ドル台まで上昇している。
来週は、値固めができるのかどうかに注目です。
2017 年 11 月底値に到達してきており、割ってしまった場合は、109 円、107 円が視野に入ってきます。
15日は米国が休場となりますが、ゴトーを絡んだ東京の流れからロンドンでどうなるのかを見定める必要があります。
テクニカル的にも、昨年末辺りはまだ上昇の兆しが少しだけあった雰囲気でしたが、チャート形状としてもここから 120 円を目指すにはかなり無理がありそうな形になってきてしまいました。ドル円 120 円派も半分はいたはずですが、固執せずにマーケットについていくべきですね。
ドル円予想 : 110.00 - 112.20
ドル円以外としては、17 日(水)にカナダ銀行の政策金利発表が控えています。
カナダの政策金利は現在 1.0%。今回は予想が 1.25% であることから、結果によりカナダドルの振れ幅が大きくなるかもしれません。
カナダドルの短期的な見通しとしては、好調な経済と原油価格がカナダドルのサポートにつながっていますが、NAFTA でネガティブな報道が出ると下に振れやすいため、注意が必要です。
18 日(木)は、豪ドルが動きそうです。
特に中国の GDP に関しては豪ドルが敏感に触れるので、豪ドルのポジションを取っていると、18 日の午前中に思わぬ振れ幅にやられる可能性に注意が必要でしょうか。
同日に、トルコ中銀の政策金利発表も控えています。
一時の急落からやや回復しましたが、トルコリラは長期的に見てもネガティブでしかないと思われます。また、市場との対話などないので、突然の利下げが発生した場合は、かなり下に振れてしまうことに警戒すべきです。
スワップ狙いでも、ストップは入れましょう。ストップなしはロスカットと破産への近道です。
経済指標一覧(日本時間)
1/15(月)
- 【休場】
米国:Martin Luther King Jr. Day
1/16(火)
- 16:00(独) 12月 消費者物価指数(CPI)
- 18:30(英) 12月 消費者物価指数(CPI),小売物価指数(RPI)
1/17(水)
- 19:00(欧) 12月 消費者物価指数(HICP)
- 24:00(加) カナダ銀行 政策金利
- 28:00(米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
1/18(木)
- 未定(南ア) 南アフリカ準備銀行 政策金利
- 09:30(豪) 12月 新規雇用者数,失業率
- 11:00(中) 10-12月期 四半期国内総生産(GDP)
- 20:00(トルコ) トルコ中銀 政策金利
- 22:30(米) 12月 住宅着工件数,建設許可件数
1/19(金)
- 18:30(英) 12月 小売売上高指数
- 24:00(米) 1月 ミシガン大学消費者態度指数
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Weekly
予想レンジ:110.00 - 112.75
日銀が示した円買い材料の行方
10/30~31 に開催された金融政策決定会合における「主な意見」によれば、追加緩和への否定的な見方が数多くみられていたほか、「副作用」への言及も目立った3。加えて、黒田総裁も 11 月 13 日、チューリッヒ大学(スイス)での講演にて、金利を下げすぎる結果、金融緩和効果が反転する可能性があると発言していた。第 2 次安倍政権発足後、デフレ脱却に向けた円高是正意欲は政府・日銀ともに強い。日銀は、国債買い入れ政策をまだ何年も続けねばならないのが実情だ。国債保有残高に占める日銀の占有率が 4 割を超えている中、長期戦に備えようとすればするほど日銀は今後とも買い入れペースを落としていかざるを得ないだろう。
米ドルの冴えない動きも続く公算が大きい。市場が見込む3 月の米利上げ確率が既に 8 割を超え、長期金利も一時は昨年 3 月以来となる 2.6%近傍まで上昇。相応のドル高材料が揃っていたとも映るが、それでもドル安が進んだ事実は重い。
米経済はこれまでのところ好調を維持している上、ドル安円高が一段と進めば、本邦からの対外投資意欲が高まり、ドル円は下支えされようが、来週も引き続きドル円のダウンサイドリスクに要注意だ。
SBI Liquidity Market
週間マーケット展望
予想レンジ:109.86 - 112.50
ドル円
今週は、上値の重い動きが予想される。先週は、軟調な動きが続いたものの、週替わりで一服する可能性も考えられる。ただ、下落が続いたことで、マーケットに弱気が浸透していることから、比較的ドル売り・円買いの材料に敏感に反応しやすい状況と考えられる。ただ、週序盤に値固めができれば、底固い動きとなる可能性も考えられる。そして、15 日と 19 日に日銀の買い入れオペが予定されており、量的緩和縮小の思惑が燻る中であることから、注目が集まっている。ここで減額となるようなら、量的緩和縮小への思惑が一気に高まる可能性もあるだろう。週明けは、米国市場が休場となるが、その後は製造業や住宅関連の米経済指標の発表が予定されていることから、結果には注目したい。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:110.00 - 112.50
来週のドル/円は下値余地、米指標や株価に関心
来週の外為市場で、ドル/円は下値が広がる可能性がある。国内勢のドル買いがある程度支えとなりそうだが、市場はドル安/円高の材料が意識されやすい地合い。米経済指標が弱かったり、日本株に調整が入ったりすれば、110円前半までの下落もあり得る。日銀は15日と19日に中長期債・超長期債の買い入れオペを実施する予定。「減額は予想しないが、日銀から明確なメッセージがない限りは海外勢を中心にテーパリングの思惑がくすぶる」(国内金融機関)との声も聞かれ、投機筋や短期筋によるドル/円の下値攻めが警戒される。
ドルの下値のチャートポイントである110.85円(昨年11月安値)を割り込めば、110円ちょうどまで目ぼしいサポートは見当たらない。「ロケットスタートした日経平均も気掛かり。株価が下がる時には為替も追随しやすい」(大手邦銀)といい、日本株に大きめの調整が入ればドル/円も下押しされそうだ。
ユーロは堅調推移が見込まれる。11日に公表された昨年12月開催の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨で、ECBが今年初めに政策メッセージの微調整に着手する可能性が浮上。ユーロ/ドルは1.20ドル台まで上昇している。
私見
ロケットスタートを切った日経とは逆に、ドル円は 5 日連続陰線。一度も陽線が出現せず「黙ってショートだけしていれば勝てた」週となってしまいました。来週は、値固めができるのかどうかに注目です。
2017 年 11 月底値に到達してきており、割ってしまった場合は、109 円、107 円が視野に入ってきます。
テクニカル的にも、昨年末辺りはまだ上昇の兆しが少しだけあった雰囲気でしたが、チャート形状としてもここから 120 円を目指すにはかなり無理がありそうな形になってきてしまいました。ドル円 120 円派も半分はいたはずですが、固執せずにマーケットについていくべきですね。
ドル円予想 : 110.00 - 112.20
ドル円以外としては、17 日(水)にカナダ銀行の政策金利発表が控えています。
カナダの政策金利は現在 1.0%。今回は予想が 1.25% であることから、結果によりカナダドルの振れ幅が大きくなるかもしれません。
カナダドルの短期的な見通しとしては、好調な経済と原油価格がカナダドルのサポートにつながっていますが、NAFTA でネガティブな報道が出ると下に振れやすいため、注意が必要です。
18 日(木)は、豪ドルが動きそうです。
特に中国の GDP に関しては豪ドルが敏感に触れるので、豪ドルのポジションを取っていると、18 日の午前中に思わぬ振れ幅にやられる可能性に注意が必要でしょうか。
同日に、トルコ中銀の政策金利発表も控えています。
一時の急落からやや回復しましたが、トルコリラは長期的に見てもネガティブでしかないと思われます。また、市場との対話などないので、突然の利下げが発生した場合は、かなり下に振れてしまうことに警戒すべきです。
スワップ狙いでも、ストップは入れましょう。ストップなしはロスカットと破産への近道です。