2017年8月第2週(8月14日~18日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2017年8月第2週(8月14日~18日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
北朝鮮に関して市場は、現段階ではあくまでテールリスクと捉えており、最悪の事態は想定していないが意識はしている状況。
さて来週だが、基本的に夏枯れ相場は続くものと見られる。北朝鮮問題がどこまで尾を引くかだが、次第にフェードアウトして行くであろう。ちなみに8月15日は日本では終戦記念日だが、北朝鮮では日本による植民地支配が終結した日として祝日になっている。Xデーを警戒する向きもいるようだが、何も無いことをことを願うばかりだ。
円高の動きは後退し、ドル円もリバウンドを期待したいところではあるが、米CPIの影響は尾を引きそうだ。上値は重いものと見られ、110円台まで戻せれば御の字であろう。
相変わらず当たらない想定レンジだが、108.00~110.50とし、スタンスは中立で変わらずとする。
米国では15日に7月小売売上高、16日に7月住宅着工件数があり、いずれも前月から増加する見通し。予想通りの着地となればドル・円の下支えになるが、夏季休暇入りする市場参加者が多い時期でもあり、今後の方向性を定めるほどの材料にはならないだろう。
金融政策に関しては、日本時間の17日未明に公表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録も注目されるものの、市場の関心は24-26日のジャクソンホール会議に向かいつつある。同会議ではイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長がバランスシート縮小について発言する可能性があり、それまで積極的な動きは見られそうにない。もっとも、北朝鮮情勢など地政学リスクに対しては神経質に反応する恐れがある点は注意だ。
週足チャートでは7月中旬に一目均衡表の「雲」の中に押し返されてから戻りの鈍い展開が続いており、今週は52週移動平均線を割り込んだ。「雲」の下限を下回るようだと4月安値の108円10銭近辺が意識されそうだ。上値メドは、もみ合いのレンジ上限である111円50銭近辺。
米国で11日に発表される7月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、早期追加利上げ観測が高まれば111円半ば程度までの反発はあり得る。ただ、どちらかといえばドル安/円高となり得る材料が多い。
今週はクロス円で円ショートポジションの巻き戻しが活発化し、ドル安/円高が進んだ部分がある。「クロス円での円ショート巻き戻しの余地は十分ある」(外為アナリスト)とみられ、ドル/円以外の値動きにも注意が必要という。
金融市場では米債価格上昇(金利低下)、恐怖指数(VIX指数)が急上昇し、円とスイスフランは対主要通貨での買い戻し圧力を強めた。
筆者自身、マティス米国防長官が警告したように北朝鮮自身が「体制の終焉」に繋がる過激な軍事行動を起こすとは想定していない。しかし①8/10(~8/28)の日米合同訓練(陸自・米海兵隊/北海道)、②8/15は北朝鮮祖国解放記念日、③8/21からの米韓合同軍事演習など、緊張の高まる日程が続く。
前号でも指摘したが、8月中旬に向けた米債償還・ドル利払いはドル再投資と読むが、恣意的なドル売り円転仕掛け思惑に利用されかねない局面でもある。
上値焦点は8/3高値110.84、8/7高値110.935、8/2-4高値111.00-06。7/28高値111.345を超えれば7/27高値111.72が意識されるが日足一目均衡表雲下限111.58-645の抵抗を推考。
下値焦点は8/9安値109.545、6/15安値109.265、6/14安値108.78を最終橋頭堡と推考。割れた際は4月中旬に示された108円台前半の堅調性(4/17-19安値108.11-31-37)が再度試されそうだ。
いわゆる北朝鮮についての地政学的リスクですが、実際に軍事的な衝突まで発展するという向きはまだ少数派ではありますが、短期筋の格好のネタとなっていることから上値は重い展開となっています。
日柄的にはそろそろ上昇するのかと思っていましたが、さすがにそれ以上に地合いが悪いことは仕方がないことではあります。
一旦反発できるかどうかを見守りたいところです。
予想 : 108.60 - 111.00
経済指標一覧(日本時間)
08/14(月)
- 08:50(日) 4-6月期 四半期実質国内総生産(GDP)☆☆
- 18:00(欧) 6月 鉱工業生産
08/15(火)
- 15:00(独) 4-6月期 国内総生産(GDP)
- 17:30(英) 7月 消費者物価指数(CPI),小売物価指数(RPI)
- 21:30(米) 7月 小売売上高
08/16(水)
- 17:30(英) 7月 失業保険申請件数,失業率
- 18:00(欧) 4-6月期 四半期域内総生産(GDP,改定値)
- 23:00(米) 6月 卸売在庫
08/17(木)
- 18:00(欧) 7月 消費者物価指数(HICP,改定値)定値)
- 20:30(欧) 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
- 21:30(米) 前週分新規失業保険申請件数
08/18(金)
- 23:00(米) 8月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値
今週のドル円予想レンジ予想
KlugFX
とれんど捕物帳:108.00 - 110.50
また余計な雑音がドル円を圧迫
先週の米雇用統計が強かったことから今週こそ、ムードに変化も期待したが、また余計な雑音がドル円を圧迫している。ワシントンと平壌の間で舌戦が繰り広げられ、市場は北朝鮮問題への意識を再び強めてしまった。北朝鮮に関して市場は、現段階ではあくまでテールリスクと捉えており、最悪の事態は想定していないが意識はしている状況。
さて来週だが、基本的に夏枯れ相場は続くものと見られる。北朝鮮問題がどこまで尾を引くかだが、次第にフェードアウトして行くであろう。ちなみに8月15日は日本では終戦記念日だが、北朝鮮では日本による植民地支配が終結した日として祝日になっている。Xデーを警戒する向きもいるようだが、何も無いことをことを願うばかりだ。
円高の動きは後退し、ドル円もリバウンドを期待したいところではあるが、米CPIの影響は尾を引きそうだ。上値は重いものと見られ、110円台まで戻せれば御の字であろう。
相変わらず当たらない想定レンジだが、108.00~110.50とし、スタンスは中立で変わらずとする。
モーニングスター
来週の東京外国為替市場見通し:108.80 - 111.50
夏季休暇シーズンで動意薄の展開か、北朝鮮リスクには注意
14-18日のドル・円は、動意薄の展開と見る。米国では15日に7月小売売上高、16日に7月住宅着工件数があり、いずれも前月から増加する見通し。予想通りの着地となればドル・円の下支えになるが、夏季休暇入りする市場参加者が多い時期でもあり、今後の方向性を定めるほどの材料にはならないだろう。
金融政策に関しては、日本時間の17日未明に公表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録も注目されるものの、市場の関心は24-26日のジャクソンホール会議に向かいつつある。同会議ではイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長がバランスシート縮小について発言する可能性があり、それまで積極的な動きは見られそうにない。もっとも、北朝鮮情勢など地政学リスクに対しては神経質に反応する恐れがある点は注意だ。
週足チャートでは7月中旬に一目均衡表の「雲」の中に押し返されてから戻りの鈍い展開が続いており、今週は52週移動平均線を割り込んだ。「雲」の下限を下回るようだと4月安値の108円10銭近辺が意識されそうだ。上値メドは、もみ合いのレンジ上限である111円50銭近辺。
ロイター
来週の外為市場:108.50 - 111.50
来週のドルは一段安の可能性、米指標低調なら108円台も視野
来週の外為市場でドル/円は、一段安の可能性が指摘されている。米株式市場が堅調に推移すればサポート要因となりそうだが、北朝鮮情勢への懸念がぬぐえず、米経済指標が低調であれば108円台への下落も視野に入るという。米国で11日に発表される7月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、早期追加利上げ観測が高まれば111円半ば程度までの反発はあり得る。ただ、どちらかといえばドル安/円高となり得る材料が多い。
今週はクロス円で円ショートポジションの巻き戻しが活発化し、ドル安/円高が進んだ部分がある。「クロス円での円ショート巻き戻しの余地は十分ある」(外為アナリスト)とみられ、ドル/円以外の値動きにも注意が必要という。
岡三オンライン証券
武部力也の週間為替相場見通し:108.80 - 111.50
「朝鮮半島脅威」での円買い煽りに警戒する局面
休暇中のトランプ米大統領から北朝鮮に向けて「炎と怒り」とした警告発言がなされ、これに対し北朝鮮の国営通信社が、太平洋上の米領グアムに対して中長距離ミサイル攻撃を検討と伝えるなど、米国と北朝鮮の対立が鮮明化した。金融市場では米債価格上昇(金利低下)、恐怖指数(VIX指数)が急上昇し、円とスイスフランは対主要通貨での買い戻し圧力を強めた。
筆者自身、マティス米国防長官が警告したように北朝鮮自身が「体制の終焉」に繋がる過激な軍事行動を起こすとは想定していない。しかし①8/10(~8/28)の日米合同訓練(陸自・米海兵隊/北海道)、②8/15は北朝鮮祖国解放記念日、③8/21からの米韓合同軍事演習など、緊張の高まる日程が続く。
前号でも指摘したが、8月中旬に向けた米債償還・ドル利払いはドル再投資と読むが、恣意的なドル売り円転仕掛け思惑に利用されかねない局面でもある。
上値焦点は8/3高値110.84、8/7高値110.935、8/2-4高値111.00-06。7/28高値111.345を超えれば7/27高値111.72が意識されるが日足一目均衡表雲下限111.58-645の抵抗を推考。
下値焦点は8/9安値109.545、6/15安値109.265、6/14安値108.78を最終橋頭堡と推考。割れた際は4月中旬に示された108円台前半の堅調性(4/17-19安値108.11-31-37)が再度試されそうだ。
私見
ドル円は 11 日に 108.70 までタッチ後、一気に 109.40 まで吹き上がるなど、夏季シーズンの動意薄からくる荒い動きを見せつつも、なんとか 109 円を防衛して越週しました。いわゆる北朝鮮についての地政学的リスクですが、実際に軍事的な衝突まで発展するという向きはまだ少数派ではありますが、短期筋の格好のネタとなっていることから上値は重い展開となっています。
日柄的にはそろそろ上昇するのかと思っていましたが、さすがにそれ以上に地合いが悪いことは仕方がないことではあります。
一旦反発できるかどうかを見守りたいところです。
予想 : 108.60 - 111.00