9月26日から30日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
9月26日から30日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
労働市場の回復感に比べ、他の経済指標が強弱マチマチとなっていることが追加利上げの妨げになっていると見られ、注目が怠れない。
日銀金融政策決定会合、FOMCとビッグイベントは通過し、当面は方向感に乏しく、ドル・円はもみ合いが想定される。
日米の中銀会合を経て、米早期利上げへの思惑と日銀緩和の円安効果への期待感が後退。ドル/円には円高圧力がかかりやすいとみられている。一方、早期利上げ思惑後退によって世界的に株価は底堅く、ドル/円にとっては支えになりやすい。
リスクセンチメントへの影響の観点から重要視される米大統領選に関連して、26日に候補者による第1回テレビ討論会がある。クリントン候補が優勢とみられてきたが、足元では健康への懸念が浮上しており「トランプ候補につけ入る隙を与えかねない」(国内金融機関)との指摘が出ている。
討論会後の支持率調査などで両候補の差が縮まったり逆転したりするようなら、市場心理が悪化しかねないとして警戒されている。
28日にはイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の下院での議会証言があるが、FOMC直後の上、テーマが金融規制関連でもあり「いつもよりは注目度が低下しそう」(同)という。
ただ、米利上げ時期の後ずれを好感した株高は継続する見通し。株高はドル・円相場に対する支援材料となる。また、28日にはOPEC非公式会合の開催が予定されており、産油国による生産調整に向けた協議も材料視されそうだ。結果は不透明だが、期待先行で原油価格が持ち直せば、ドル買い・円売りを促すことも予想される。
しかし筆者は、11/8の米大統領選挙投票に向けてFRBは大幅な政策変更を控え、証拠があろうがなかろうが政治への配慮を優先する、とした推察を持ち続けている。
金融・経済政策論争は勿論、民主党クリントン候補の健康問題から各副大統領候補の資質にまで拡がりを見せる不透明感は、金融市場全般、米ドル/円にも飛び火してこようか。
9/26週米ドル/円は、第二4半期末決算での円転圧力や日足一目均衡表雲の帯(101.93-102.85)を上値抵抗と推考。
目標値は9/15、21高値圏102.75-80。下値焦点は9/22、8/24-26安値圏100.04-09、8/19-23安値圏99.89-93、8/18-16安値圏99.53-63維持有無。99.50割れは2013/11/12-14安値圏99.12-08、99円維持が問われ下抜けると2013/11/7安値97.60迄の下押し拡大を推考している。
材料出尽くし感から、下押し圧力強まる
FOMCも、年内の利上げを示唆したが、11 月の大統領選を跨ぐため、利上げ期待は当面高まりにくい。
来週について言えば、26 日に米大統領選の両候補者によるテレビ討論会が開催される。仮に討論会を経てトランプ大統領誕生との思惑が高まれば、利上げ観測が後退したり、高値圏にある米国の株式相場の波乱要因となりかねない。ドル円に対する下押し材料となりかねず要注意だ。
一方、100 円付近まで円高が進めば、本邦当局からは再び円高けん制発言がきかれる上、金融庁や財務省、日銀による会合も開催されるなど、介入警戒感が高まろう。
但し、為替介入が許容されるのは、為替相場に過度な変動や無秩序な動きがある場合だ。その点、ドル円は 8 月、9 月のいずれも月間の値幅が 4 円程度に収まるなど、年初来でみれば小動きとなっている。
そもそも、本邦では実需の円買いの元でもある経常収支の黒字が拡大している為、円買いの主体を「投機筋」と説明するのもやや苦しいところだ。総じてみると、円売り為替介入に対するハードルは高いと考えられ、当面は口先での介入といった現実的な対応に限られそうだ。
今週は大きなイベントがない中で、ドル円は狭いレンジ内にとどまるのではないかと予想されますが、ユーロドルやオーストラリアドルを見ても、全般的にドルが弱気です。ロングのアヤ戻りを狙うのには細心の注意が必要なのではないかと思われます。
テクニカル的には、38% 戻しにいますが、これが抜けていません。月末のフローが出るため、実需勢もどこまで買ってくるのか疑問であり、頭が重そうです。
予想 : 99.80 - 101.80
経済指標
09/26(月)
- 14:35 (日) 黒田日銀総裁 発言
- 23:00 (米) 8 月 新築住宅販売件数
- 23:00 (欧) ドラギ ECB 総裁 発言
09/27(火)
- 08:50 (日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨 ★★
- 22:00 (米) 7 月 ケース・シラー米住宅価格指数
- 23:00 (米) 9 月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
09/28(水)
- 20:00 (米) MBA 住宅ローン申請件数(前週比)
- 21:30 (米) 8 月 耐久財受注
- 23:00 (米) イエレン FRB 議長 発言 ★★
09/29(木)
- 21:30(米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 21:30(米) 4-6 月期 四半期実質国内総生産(GDP)
- 23:00(米) 8 月 住宅販売保留指数
- 29:00 (米) イエレン FRB 議長 発言 ★★
09/30(金)
- 08:30(日) 8 月 全国消費者物価指数(CPI)
- 10:45(中) 9 月 Caixin 製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 21:30(米) 8 月 個人消費支出(PCEコア・デフレーター)
- 22:45(米) 9 月 シカゴ購買担当者景気指数
- 23:00(米) 9 月 ミシガン大学消費者態度指数
今週のドル円予想レンジ予想
モーニングスター
ビッグイベント通過でドル・円はもみ合いか、米経済指標に注目
99.00 - 102.50
来週の東京外国為替市場見通し (2016/09/16 18:31)目先は、米9月製造業PMI(購買担当者景気指数)、米8月新築住宅販売件数、米9月消費者信頼感指数、米8月耐久財受注、米4-6月期GDP(国内総生産)確報値、米8月個人所得・個人支出、米9月シカゴ購買部協会景気指数などが発表される。
労働市場の回復感に比べ、他の経済指標が強弱マチマチとなっていることが追加利上げの妨げになっていると見られ、注目が怠れない。
日銀金融政策決定会合、FOMCとビッグイベントは通過し、当面は方向感に乏しく、ドル・円はもみ合いが想定される。
ロイター
来週はドル円100円めぐる攻防も、株高持続力が焦点
99.00 - 102.50
来週の外為市場 (2016/09/23 15:59)来週の外為市場でドル/円は、100円をめぐる攻防が警戒されている。米連邦公開市場委員会(FOMC)を経て米早期利上げ期待が後退した一方、これまでのところ株価や原油価格は底堅く推移。リスク選好ムードによる円高の和らぎがどの程度持続するかが焦点になりそうだ。
日米の中銀会合を経て、米早期利上げへの思惑と日銀緩和の円安効果への期待感が後退。ドル/円には円高圧力がかかりやすいとみられている。一方、早期利上げ思惑後退によって世界的に株価は底堅く、ドル/円にとっては支えになりやすい。
リスクセンチメントへの影響の観点から重要視される米大統領選に関連して、26日に候補者による第1回テレビ討論会がある。クリントン候補が優勢とみられてきたが、足元では健康への懸念が浮上しており「トランプ候補につけ入る隙を与えかねない」(国内金融機関)との指摘が出ている。
討論会後の支持率調査などで両候補の差が縮まったり逆転したりするようなら、市場心理が悪化しかねないとして警戒されている。
28日にはイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の下院での議会証言があるが、FOMC直後の上、テーマが金融規制関連でもあり「いつもよりは注目度が低下しそう」(同)という。
フィスコ
ドル・円はもみあいか、米利上げ時期を探る展開
99.00 - 103.00
為替週間見通し(2016/09/23 14:33)30日発表の8月米PCEコア指数の伸びが注目される。FRBは前年比+2.0%を金融政策変更の目安としているが、3月以降は+1.6%のまま伸び悩んでいる。この指数が上昇すれば、年内利上げの期待は再燃するとみられているが、伸び悩んだ場合、早期引き締めの実施は難しいとの見方が広がり、ドル・円は心理的節目の100円を割り込む可能性があろう。
ただ、米利上げ時期の後ずれを好感した株高は継続する見通し。株高はドル・円相場に対する支援材料となる。また、28日にはOPEC非公式会合の開催が予定されており、産油国による生産調整に向けた協議も材料視されそうだ。結果は不透明だが、期待先行で原油価格が持ち直せば、ドル買い・円売りを促すことも予想される。
岡三オンライン証券
「仁義なき米大統領選」を円が意識する展開
99.10 - 102.80
武部力也の週間為替相場見通し(2016/09/23)日銀の新策公表から約14時間後に米連邦公開市場委員会(FOMC)が金利据え置きを決定。声明では“to wait for further evidence of continued progress toward its objectives.”つまり雇用最大化と2%の物価目標という使命の達成、利上げを目標に“さらなる証拠“を待つことを選択した、としている。
しかし筆者は、11/8の米大統領選挙投票に向けてFRBは大幅な政策変更を控え、証拠があろうがなかろうが政治への配慮を優先する、とした推察を持ち続けている。
金融・経済政策論争は勿論、民主党クリントン候補の健康問題から各副大統領候補の資質にまで拡がりを見せる不透明感は、金融市場全般、米ドル/円にも飛び火してこようか。
9/26週米ドル/円は、第二4半期末決算での円転圧力や日足一目均衡表雲の帯(101.93-102.85)を上値抵抗と推考。
目標値は9/15、21高値圏102.75-80。下値焦点は9/22、8/24-26安値圏100.04-09、8/19-23安値圏99.89-93、8/18-16安値圏99.53-63維持有無。99.50割れは2013/11/12-14安値圏99.12-08、99円維持が問われ下抜けると2013/11/7安値97.60迄の下押し拡大を推考している。
三菱東京UFJ銀行
材料出尽くし感から、下押し圧力強まる
99.00 - 102.50
FX Weekly(2016/09/23)注目を集めた日米の金融政策イベントを通過した。当面、日銀が長期金利(10 年国債の利回り)をゼロ%程度へと誘導することができるのかを見極める時間となろう。
FOMCも、年内の利上げを示唆したが、11 月の大統領選を跨ぐため、利上げ期待は当面高まりにくい。
来週について言えば、26 日に米大統領選の両候補者によるテレビ討論会が開催される。仮に討論会を経てトランプ大統領誕生との思惑が高まれば、利上げ観測が後退したり、高値圏にある米国の株式相場の波乱要因となりかねない。ドル円に対する下押し材料となりかねず要注意だ。
一方、100 円付近まで円高が進めば、本邦当局からは再び円高けん制発言がきかれる上、金融庁や財務省、日銀による会合も開催されるなど、介入警戒感が高まろう。
但し、為替介入が許容されるのは、為替相場に過度な変動や無秩序な動きがある場合だ。その点、ドル円は 8 月、9 月のいずれも月間の値幅が 4 円程度に収まるなど、年初来でみれば小動きとなっている。
そもそも、本邦では実需の円買いの元でもある経常収支の黒字が拡大している為、円買いの主体を「投機筋」と説明するのもやや苦しいところだ。総じてみると、円売り為替介入に対するハードルは高いと考えられ、当面は口先での介入といった現実的な対応に限られそうだ。
私見
大きなイベントを通過しましたが、概ね予想通りとなり、発表直後の乱高下はあったにせよ、無茶なエントリーをしなければわりと「取りやすい」相場だったのではないでしょうか。今週は大きなイベントがない中で、ドル円は狭いレンジ内にとどまるのではないかと予想されますが、ユーロドルやオーストラリアドルを見ても、全般的にドルが弱気です。ロングのアヤ戻りを狙うのには細心の注意が必要なのではないかと思われます。
テクニカル的には、38% 戻しにいますが、これが抜けていません。月末のフローが出るため、実需勢もどこまで買ってくるのか疑問であり、頭が重そうです。
予想 : 99.80 - 101.80