3月14日から3月18日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
3月14日から3月18日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
ドル・円は10日、2月3日以来約1カ月ぶりとなる25日移動平均線(113円58銭)に接触した。11日は同線を上回って推移しており、下値支持線となれば目先の下押しは想定しづらい。上値は2月中旬以降続きレンジ取引の上限115円近辺と想定している。
FOMC声明やイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見内容が6月利上げの可能性をやや高める内容であればドル買いが優勢となりそうだが、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は10日に行われた会見で追加緩和について否定的な見解を表明した。この見解を受けて日本銀行による早期追加緩和への期待はやや後退しており、リスク選好的なドル買い・円売りが大きく広がる状況ではないとみられる。
もっとも、2月のパニック的な相場が落ち着くなか、主要国が通貨安政策の回避で合意したこと、開始間もないマイナス金利の影響が的確に判断できない状況下で、連続での追加緩和導入は予想しにくい。
来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策の現状維持が予想されている。声明文やイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の会見で、2月の混乱が米国に与えた影響や先行きの見通しを、FOMCがどのように判断しているかが焦点となる。
FRBがどのように動くか3/16のFOMCに留意している。利上げ確率はほぼゼロと見込んでいるが、イエレン議長が雇用とインフレ面に自信を示し、追加利上げ観測が強まれば、ドルブル派が息を吹き返す局面となる。ドル円上値焦点は3/2・3/10の高値圏114.45-114.57。越えれば2/16高値114.89や115.00節目、週足一目均衡表雲下限115.52が意識される。下値焦点は113円維持と3/10安値112.59。割れると3/1安値112.15、2/25安値111.88が推考される。
15 日、マイナス金利付き量的質的金融緩和(以下、マイナス金利付きQQE)の導入決定後、初めて日銀の金融政策決定会合が開催される。一部では、ECBに追随し、日銀の追加緩和を期待する声もある。但し、本来なら、日銀が追加緩和を講じるのは、よほど緊急性を要する場面を除き、物価の展望レポートを公表する 1 月、4 月、7 月、10 月。来週は、マイナス金利付きQQEの政策効果を見極めるほか、マイナス金利が適用される政策金利残高の規模を決するマクロ加算残高の具体的な運用方針が示される可能性が高い。
来週は、日米の金融政策決定を経て、日銀は緩和見送りによる円買いを、また、FOMCでは、慎重な正常化姿勢がドル売りをそれぞれ招き、ドル円が下押しされる場面がありそうだ。どちらもある程度、予想されており、大きな値幅は見込みにくいが、時節柄、本邦での円買い需要は活発とみられる。日経平均株価が 17000 円を回復した場面や、3 月月初からのユーロ円の反発(3/1 の 122 円台前半⇒3/11 の 126 円台後半)などに比べ、ドル円の戻り高値は 114 円台にとどまるなど、上値が重い。112 円前後では下げ渋っており、押し目買いも出やすい頃合とみられるが、根底でのドル高円安期待は大きく後退したままと言え、依然として下落(ドル安円高)に警戒が必要だろう。
日本株にも、大きな資金が断続的に入っているとの声が絶えず、期末ということもあってショートで仕掛けづらい展開が続いています。
ただ、114 円を超えた後もその勢いは長続きしなかっったこともあり、115 円突破してさらなる上昇をしていくというイメージは、個人的にはありません。
来週は日銀の政策金融決定会合と FOMC がありますが、どちらも初動は買い、直後に売り、という動きになってくれると楽ですね。
予想 : 112.20 - 115.00
経済指標
03/14(月)
- 未定 (日) 日銀・金融政策決定会合
- 18:50 (日) 1 月 機械受注
03/15(火)
- 未定 (日) 日銀金融政策決定会合・終了後政策金利発表 ★★
- 15:30 (日) 黒田日銀総裁 定例記者会見
- 21:30 (米)2 月 小売売上高 ★★
- 21:30 (米)2 月 卸売物価指数(PPI, PPI コア)
- 21:30 (米)ニューヨーク連銀製造業景気指数
- 23:00 (米)3 月 NAHB 住宅市場指数
- 23:00 (米)1 月 企業在庫
- 29:00 (米)1 月 対米証券投資(短期債除く)
03/16(水)
- 20:00 (米)MBA 住宅ローン申請指数
- 21:30 (米)2 月 住宅着工件数
- 21:30 (米)2 月 建設許可件数
- 21:30 (米)2 月 消費者物価指数(CPI)
- 27:00 (米)FOMC 終了後政策金利発表 ★★★
- 27:30 (米)イエレン FRB 議長 定例記者会見
03/17(木)
- 08:50 (日)2 月 貿易統計
- 21:30 (米)10-12 月期 四半期経常収支
- 21:30 (米)フィラデルフィア連銀製造業景気指数
- 21:30 (米)前週分 新規失業保険申請件数
- 23:00 (米)2 月 景気先行指標総合指数
03/18(金)
- 23:00(米) 3 月 ミシガン大学消費者態度指数
予想レンジ
モーニングスター
112.00 - 115.00
来週の東京外国為替市場見通し (2016/03/11 18:29)来週は週初14-15日に日銀金融政策決定会合、15-16日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される。日銀金融政策決定会合では、マイナス金利の導入の効果を見極める時期と見られ、金融政策の据え置きが予想されており、市場への影響は限定的となりそうだ。一方、FOMCでは追加利上げが見送られる見通し。直近の米経済指標には弱い内容のモノが多く、当初市場で見込まれていた3月利上げ観測は後退している。市場ではむしろ、声明文やイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見内容から、4月(会見なし)もしくは6月(会見あり)の追加利上げ決定時期を占う流れとなっている。
ドル・円は10日、2月3日以来約1カ月ぶりとなる25日移動平均線(113円58銭)に接触した。11日は同線を上回って推移しており、下値支持線となれば目先の下押しは想定しづらい。上値は2月中旬以降続きレンジ取引の上限115円近辺と想定している。
ロイター
111.50 - 115.00
来週の外為市場 (2016/03/11 16:55)来週の外為市場で、ドル/円はレンジ内で神経質な展開となりそうだ。日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)は現状維持とみる向きが多いが、日銀については一部で追加緩和期待が残されている。政策変更がなかった場合は、期待がはく落した分だけ円高方向に振れるとみられている。市場には追加緩和を予想する参加者もおり、無風で通過した場合は円買いで反応するとみられている。ただ、期待がそれほど高まっていない分、失望も小さく、ドル/円は下がっても111円台を維持するとの見方も出ていた。
フィスコ
112.00 - 115.00
為替週間見通し(2016/03/11 15:33)14-15日開催の日銀金融政策決定会合と15-16日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合が注目されるが、いずれも現行の金融政策を維持する公算。金融政策の現状維持は現在の為替相場にほぼ織り込まれているため、ドル・円相場が大きく動く可能性は低いとみられる。
FOMC声明やイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見内容が6月利上げの可能性をやや高める内容であればドル買いが優勢となりそうだが、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は10日に行われた会見で追加緩和について否定的な見解を表明した。この見解を受けて日本銀行による早期追加緩和への期待はやや後退しており、リスク選好的なドル買い・円売りが大きく広がる状況ではないとみられる。
TRADER'S WEB トレーダーズ・ウェブ
111.00 - 115.00
週間為替展望 (2016/03/12 11:10)
- 日銀の追加金融は4月以降が濃厚か、足腰弱いが連続緩和は回避へ。
- FOMCは利上げ見送りへ、当局は成長・物価見直しに楽観的な可能性。
もっとも、2月のパニック的な相場が落ち着くなか、主要国が通貨安政策の回避で合意したこと、開始間もないマイナス金利の影響が的確に判断できない状況下で、連続での追加緩和導入は予想しにくい。
来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策の現状維持が予想されている。声明文やイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の会見で、2月の混乱が米国に与えた影響や先行きの見通しを、FOMCがどのように判断しているかが焦点となる。
岡三オンライン証券
112.50 - 115.50
武部力也の週間為替相場見通し(2016/03/11)
日銀金融政策での「開花宣言(円安)」期待懇意の永田町筋からは、上海G20での国際協調姿勢を大義に「(増税是非を)国民に信を問う」として衆参ダブル選挙の可能性も聞こえてくる。しかし、1票の格差問題が是正されておらず、またアベノミクスの脆弱性や政府の財政規律弛緩を追及されかねないことは、選挙には不利なのではないか。やはり有権者の歓心を買う為にも景気の好循環として象徴的な「株高円安」が3月決算期だからこそ強まる、と読むのが自然だろう。年金積立金管理運用独立行政法人GPIFや共済等は政権の意向を再咀嚼せざるを得ない。
FRBがどのように動くか3/16のFOMCに留意している。利上げ確率はほぼゼロと見込んでいるが、イエレン議長が雇用とインフレ面に自信を示し、追加利上げ観測が強まれば、ドルブル派が息を吹き返す局面となる。ドル円上値焦点は3/2・3/10の高値圏114.45-114.57。越えれば2/16高値114.89や115.00節目、週足一目均衡表雲下限115.52が意識される。下値焦点は113円維持と3/10安値112.59。割れると3/1安値112.15、2/25安値111.88が推考される。
三菱東京UFJ銀行
111.75 - 115.00
FX Weekly(2016/03/11)ドル円は、110.99 を記録した 2/11 の翌週以降、総じて 112 円台から 114 円台にとどまり、方向感に乏しい。本邦の決算期末を控えた円買い需要や、米景気の減速懸念によるドル売りが、ドル円の上値を抑えているとみられる。一方、資源価格や新興国通貨、世界的な株式相場に下げ止まりの兆しもうかがえ、緊張緩和を期待する声もきかれ、リスク回避的な円高圧力が和らいだ面もあるだろう。こうした中、来週は日銀の金融政策決定会合や米国のFOMCを控えており、市場の注目が集まる。
15 日、マイナス金利付き量的質的金融緩和(以下、マイナス金利付きQQE)の導入決定後、初めて日銀の金融政策決定会合が開催される。一部では、ECBに追随し、日銀の追加緩和を期待する声もある。但し、本来なら、日銀が追加緩和を講じるのは、よほど緊急性を要する場面を除き、物価の展望レポートを公表する 1 月、4 月、7 月、10 月。来週は、マイナス金利付きQQEの政策効果を見極めるほか、マイナス金利が適用される政策金利残高の規模を決するマクロ加算残高の具体的な運用方針が示される可能性が高い。
来週は、日米の金融政策決定を経て、日銀は緩和見送りによる円買いを、また、FOMCでは、慎重な正常化姿勢がドル売りをそれぞれ招き、ドル円が下押しされる場面がありそうだ。どちらもある程度、予想されており、大きな値幅は見込みにくいが、時節柄、本邦での円買い需要は活発とみられる。日経平均株価が 17000 円を回復した場面や、3 月月初からのユーロ円の反発(3/1 の 122 円台前半⇒3/11 の 126 円台後半)などに比べ、ドル円の戻り高値は 114 円台にとどまるなど、上値が重い。112 円前後では下げ渋っており、押し目買いも出やすい頃合とみられるが、根底でのドル高円安期待は大きく後退したままと言え、依然として下落(ドル安円高)に警戒が必要だろう。
私見
ドル円は 112 円の底固さが確認されたことと、ファンダメンタルズの若干の改善が見られたこと、ECB による追加緩和が好感されたことから 114 円を超える場面もありました。日本株にも、大きな資金が断続的に入っているとの声が絶えず、期末ということもあってショートで仕掛けづらい展開が続いています。
ただ、114 円を超えた後もその勢いは長続きしなかっったこともあり、115 円突破してさらなる上昇をしていくというイメージは、個人的にはありません。
来週は日銀の政策金融決定会合と FOMC がありますが、どちらも初動は買い、直後に売り、という動きになってくれると楽ですね。
予想 : 112.20 - 115.00