2月8から2月12日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。 ドル円為替相場の予想と見通し(2月8日~2月12日)
2月8から2月12日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
ドル円為替相場の予想と見通し(2月8日~2月12日)
足元の相場は「これまで利上げを織り込んできたドル買い相場の巻き戻し」(あおぞら銀行の市場商品部部長、諸我晃氏)と指摘される。雇用統計が強い結果でも「それだけで米経済に対する不信感は払しょくしきれない」(別の国内金融機関)といい上昇力は限定的とみられる一方、弱い結果なら「115円台への下落も視野に入る」(同)と警戒される。
中国は春節(旧正月)の連休となる。
低水準のインフレ率は一時要因によるものであり、この要因がなくなることでインフレ圧力は高まっていくと指摘している。イエレンFRB議長の証言内容が3月を含めて今年4回の利上げの蓋然性を高めるものであれば、リスク選好的なドル買いが優勢となりそうだ。
ドル円は上値の重い推移か。意外感のあった日銀のマイナス金利導入は、これまでの「量」・「質」の面での金融緩和に限界説もささやかれていたなかで、打ち止め感の払しょくにつながった点では円高の歯止めに一定の効果が得られるだろう。一段の金利引き下げ余地にも言及したため、市場の追加緩和期待がしぼむ可能性も低下した。ただしマネタリーベースの増加を目指す政策とのかい離も生じるため、慎重な見極めが必要。現段階でマイナス金利が適用される当座預金残高はほとんど存在せず、政策効果は今後の信用供給などの推移や、金融機関の収益状況などで判断していくことになる。
今後の動向を紐解く上で2点注視したい。一つは、1/29の「日銀マイナス金利導入」に際し、黒田総裁は「誰も予想しなかった原油の大幅下落」「リスクの顕現化を未然に防ぐ」などを理由としたことだ。もっとも、緩やかな景気回復基調や物価目標2%に向けた自信は揺らがず、市場の信認性に努めた格好だ。二つめは、2/10-11のイエレン議長による上下院議会証言である。そもそも12月利上げに対して米経済は耐えられるとした判断は、労働市場や物価目標に合理的確信を持ったからの決断のはずだ。それにもかかわらず、利上げ後僅か2ヶ月弱で米経済の脆弱性を議会で証言するだろうか。
ドル円下値焦点は1/20安値115.96と示現後の戻り安値116.20。同水準圏を下抜けると2015/1/16安値115.84、2014/12/16安値115.55。上値焦点は2/4高値118.25。越えれば2/3下落帯(119.30-118.65)が視野入りとなるが、日足雲下限が緩やかに119.73を指針しており、120円台示現は望外と推考。
注視すべきはドル全面安と株安であり、これは米国の弱い経済指標を受けてのものとなり、一人勝ちと思われていた米国への信任が揺らいでいる状況といえるのではないかと思います。ただ、長い目で見ると、ドル安に触れてきたこの状況は米国の輸出にとってはプラスに働くでしょうから、そこで経済がより一段の伸びを見せられるかどうかに注目したいところです。
また、米国は大統領選もあり、この行く末についても都度マーケットに織り込まれていくことは我々(日本にいると意識しないですが)は注意を払うべきことだと思われます。
来週については、特に動きがあるわけではありませんが、弱い米国経済の指標が続いたことから積極的にドルを買う動きにはならないでしょう。気をつけなければいけないのは、115.50 が抜けた場合、一気に 113円台へ突入することも考えられるのでその際はドル円・日経総崩れとなるでしょうね。
予想 : 115.50 - 119.00
ドル円為替相場の予想と見通し(2月8日~2月12日)
経済指標
02/08(月)
- 08:50 (日) 12 月 国際収支・貿易収支
- 14:00 (日) 1 月 景気ウォッチャー調査 - 現状判断 DI
- 24:00 (米) 1 月 米労働市場情勢指数(LMCI)
02/09(火)
- 24:00(米)12 月 卸売在庫
02/10(水)
- 21:00 (米) MBA 住宅ローン申請件数
- 24:00 (米) イエレン FRB 議長 発言 ★★
- 28:00 (米) 1 月 月次財政収支
02/11(木)
- 22:30 (米) 前週分新規失業保険申請件数
- 24:00 (米) イエレン FRB 議長 発言 ★★
12/12(金)
- 19:00(欧) 10-12 月期 四半期域内総生産(GDP、速報値)★★
- 22:30(米) 1 月 小売売上高 ★★
- 24:00(米) 12 月 企業在庫
- 24:00(米) 2 月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値
予想レンジ
モーニングスター
116.00 - 118.35
来週の東京外国為替市場見通し (2016/02/05 18:37)来週の注目は米 11 月雇用統計を受け、12 月 FOMC における利上げ観測が高まるかによる。前月比 20 万人像で着地すれば市場は FRB の利上げ確実を受け取り、米金利上昇からドル買い基調となる可能性が高い。
ロイター
115.50 - 118.50
来週の外為市場 (2016/02/05 16:24)来週の外為市場でドル/円は、米雇用統計やイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を消化しながら、下値を模索する展開が想定される。米景気減速への懸念から米追加利上げへの思惑が後退しており、上昇トレンドに向かいにくい地合いとなっている。米国では経済指標のさえない数字が相次いでおり、追加利上げペース鈍化への懸念がリスク要因としてあらためて注目されてきている。
足元の相場は「これまで利上げを織り込んできたドル買い相場の巻き戻し」(あおぞら銀行の市場商品部部長、諸我晃氏)と指摘される。雇用統計が強い結果でも「それだけで米経済に対する不信感は払しょくしきれない」(別の国内金融機関)といい上昇力は限定的とみられる一方、弱い結果なら「115円台への下落も視野に入る」(同)と警戒される。
中国は春節(旧正月)の連休となる。
フィスコ
115.00 - 119.00
為替週間見通し(2016/02/05 16:59)米利上げペース鈍化観測が台頭しており、10日と11日に開かれるイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言における発言内容や質疑応答を点検し、年4回の利上げ実施の可否を見極める展開となりそうだ。
低水準のインフレ率は一時要因によるものであり、この要因がなくなることでインフレ圧力は高まっていくと指摘している。イエレンFRB議長の証言内容が3月を含めて今年4回の利上げの蓋然性を高めるものであれば、リスク選好的なドル買いが優勢となりそうだ。
TRADER'S WEB トレーダーズ・ウェブ
115.00 - 120.50
週間為替展望 (2016/02/06 11:10)
- 日銀によるマイナス金利の効果を見極めるのはまだ先。
- 年明け以降の米景気の伸びも限定的か、ドル売り意識されやすくドル円の上値重そう。
ドル円は上値の重い推移か。意外感のあった日銀のマイナス金利導入は、これまでの「量」・「質」の面での金融緩和に限界説もささやかれていたなかで、打ち止め感の払しょくにつながった点では円高の歯止めに一定の効果が得られるだろう。一段の金利引き下げ余地にも言及したため、市場の追加緩和期待がしぼむ可能性も低下した。ただしマネタリーベースの増加を目指す政策とのかい離も生じるため、慎重な見極めが必要。現段階でマイナス金利が適用される当座預金残高はほとんど存在せず、政策効果は今後の信用供給などの推移や、金融機関の収益状況などで判断していくことになる。
岡三オンライン証券
武部力也の週間為替相場見通し(2016/02/06 10:00)
115.55 - 119.50
Fed official flags tight conditions~FRB幹部は厳しい環境を示した2月に入ってフィッシャーFRB副議長は、「(年内の利上げペースについて)4回は検討されている選択肢の一つだが、予め決まっているわけではない」と発言。そして、イエレンFRB議長の側近とされるNY連銀ダドリー総裁までもが、「金融情勢が昨年12月より著しく逼迫しており、こうした状況が3月の会合まで継続するようなら、金融政策決定を行う上で考慮する必要がある」と、市場の利上げテンポ感を曇らせた。当然、ドルブル派の勢いは鈍化した格好となる。
今後の動向を紐解く上で2点注視したい。一つは、1/29の「日銀マイナス金利導入」に際し、黒田総裁は「誰も予想しなかった原油の大幅下落」「リスクの顕現化を未然に防ぐ」などを理由としたことだ。もっとも、緩やかな景気回復基調や物価目標2%に向けた自信は揺らがず、市場の信認性に努めた格好だ。二つめは、2/10-11のイエレン議長による上下院議会証言である。そもそも12月利上げに対して米経済は耐えられるとした判断は、労働市場や物価目標に合理的確信を持ったからの決断のはずだ。それにもかかわらず、利上げ後僅か2ヶ月弱で米経済の脆弱性を議会で証言するだろうか。
ドル円下値焦点は1/20安値115.96と示現後の戻り安値116.20。同水準圏を下抜けると2015/1/16安値115.84、2014/12/16安値115.55。上値焦点は2/4高値118.25。越えれば2/3下落帯(119.30-118.65)が視野入りとなるが、日足雲下限が緩やかに119.73を指針しており、120円台示現は望外と推考。
私見
先週、日銀からサプライズ的に発表された「マイナス金利」ですが、ドル円では一時ドル高方向に触れたものの、その効果は三日も持たず、今週は発表前より下落しました。注視すべきはドル全面安と株安であり、これは米国の弱い経済指標を受けてのものとなり、一人勝ちと思われていた米国への信任が揺らいでいる状況といえるのではないかと思います。ただ、長い目で見ると、ドル安に触れてきたこの状況は米国の輸出にとってはプラスに働くでしょうから、そこで経済がより一段の伸びを見せられるかどうかに注目したいところです。
また、米国は大統領選もあり、この行く末についても都度マーケットに織り込まれていくことは我々(日本にいると意識しないですが)は注意を払うべきことだと思われます。
来週については、特に動きがあるわけではありませんが、弱い米国経済の指標が続いたことから積極的にドルを買う動きにはならないでしょう。気をつけなければいけないのは、115.50 が抜けた場合、一気に 113円台へ突入することも考えられるのでその際はドル円・日経総崩れとなるでしょうね。
予想 : 115.50 - 119.00