2月15日から2月19日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
2月15日から2月19日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
ドル・円は14年末から続いた1ドル=120円を中心とした上下5円程度のレンジ相場が崩れ、持ち合い下放れの動きとなっており、下値不安が強い。目先は1ドル=110円がめどとして意識されるが、その水準を下回ると14年末にもみ合った105円を目指す動きとなりそうだ。
現在のドル/円相場の特徴は、高ボラティリティと低取引量だ。
「相場的には(ドル安/円高)の行き過ぎ感があるが、113円から111円まで、出合いの少ない取引で、売りが売りを呼ぶシステムに先導され、急落したので、相場が全くこなれていない」とFXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は述べ、目先、ドルは111―113円で推移する公算が大きいが、相場の安定を示唆するものではないとみている。
米3月利上げ観測は後退しており、心理的な節目とみ られている1ドル=110円でドルが下げ止まるか注目されそうだ。市場関係者が注目し ている日本の10-12月期国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率-0.7%と予想されて おり、7-9月期の+1.0%との比較で成長率は悪化する見通し。7-9月期の前期比年率+1.0%に対 して-0.7%と大幅な悪化が見込まれている。予想通りであれば、日本経済の先行き不透明感が強まるため株安が進み、ドル売り圧力が強まる可能性がある。
ドル円はテクニカル面で重要な節目だった115円をあっさり割り込んだ。日銀短観における2015年度の大企業・製造業の想定為替レートを大きく下回っている。欧米も同様だが、足元の株価下落で企業がさらなるコスト削減を強いられそうな状況下、日銀マイナス金利導入による金融機関の収益圧迫懸念も加わって、市場のセンチメントが一段と悪化する可能性は否定できない。
ただし円高と原油安から本邦物価指標の持ち直しも鈍いなかで、インフレ目標達成の観点からは政府や日銀が警戒感をにじませる水準に突入している。すでに財務官僚からは市場の動向を注視するとした口先介入のような発言も伝わった。ドル円・クロス円の急激な反発に対応できる備えも持ちあわせたい。ここからのドル円はボラティリティの高さから瞬間風速的に振れが大きくなる可能性はあるものの、石橋を叩いて渡るような慎重な下値模索に移行する展開も想定したい。
「リスク回避の円買い」の実体は、それまでに売っていた円の買戻しと、円高を見込んだ「リスクテイクの円買い」とみられる。
ドル円の下値目処について、市場でのコンセンサスは、まだ固まっていないようだ。足もとの値動きの激しさを勘案すると、仮に 110 円を割り込んだ場合、2~3 円程度の振れ幅は当然想定すべきと言える。当面の下値目処として、107~108 円程度を想定しておく必要はありそうだ。一方、反発する場合、これまで下値目処と目されてきた 115 円を上抜けすると、戻り売り圧力が次第に強まると予想される。
足もとのドル円下落は、世界的な株安と連動しており、急激なドル円相場の動きに対する国際社会の関心は高い。今後、G20 などの場で、何らかの協調策が実現する可能性はゼロではない。
来週に関しても、基本的には「上がってきたら売る」を繰り返す動きでしょうが、ドル円でもボラティリティが非常に高く、瞬間的に大きく変動することから、ストップロスを狭く置くか、変動幅を加味して少しリスクを取るか難しいところです。
予想 : 111.00 - 114.20
経済指標
02/15(月)
- 未定 (中) 1 月 貿易収支
- 08:50 (日) 10-12 月期 四半期実質国内総生産(GDP, 速報値) ★★
02/16(火)
- 22:30 (米) 2 月 ニューヨーク連銀製造業景気指数
- 24:00 (米) 2 月 NAHB 住宅市場指数
- 30:00 (米) 12 月 対米証券投資
02/17(水)
- 08:50 (日) 12 月 機械受注
- 21:00 (米) MBA 住宅ローン申請指数
- 22:30 (米) 1 月 住宅着工件数・建設許可件数
- 22:30 (米) 1 月 卸売物価指数(PPI, PPI コア)
- 23:15 (米) 1 月 鉱工業生産
- 28:00 (米) FOMC 議事要旨 ★★
02/18(木)
- 08:50 (日) 1 月 貿易統計
- 10:30 (中) 1 月 消費者物価指指数(CPI)
- 10:30 (中) 1 月 生産者物価指数
- 21:30 (欧) ECB 理事会議事要旨
- 22:30 (米) 2 月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数
- 22:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 24:00 (米) 1 月 景気先行指標総合指数
02/19(金)
- 22:30 (米) 1 月 消費者物価指数(CPI, CPI コア) ★★
予想レンジ
モーニングスター
110.00 - 114.50
来週の東京外国為替市場見通し (2016/02/12 18:43)ドル・円の下落は、世界的金融市場の混乱を受けたリスクオフの円買いに加え、米景気の減速懸念を背景とした利上げペースの減退を受けたドル安が影響しており、FRBの利上げペースに影響を与える米経済指標には注目度が高まる。世界的な金融市場に影響を与える観点からは、連休明けの中国市場にも注意が必要。中国経済指標では1月貿易収支、1月CPI(消費者物価指数)、1月PPIの発表が予定されている。
ドル・円は14年末から続いた1ドル=120円を中心とした上下5円程度のレンジ相場が崩れ、持ち合い下放れの動きとなっており、下値不安が強い。目先は1ドル=110円がめどとして意識されるが、その水準を下回ると14年末にもみ合った105円を目指す動きとなりそうだ。
ロイター
110.00 - 114.00
来週の外為市場 (2016/02/12 16:10)来週の外為市場では、欧州金融セクターや原油安への不安が残り、国際金融市場の動揺が続くなか、量的・質的金融緩和(QQE)で膨らんだ投機筋の円売りポジションが一段と巻き戻される余地がありそうだ。春節明けの中国市場の動向も警戒されている。
現在のドル/円相場の特徴は、高ボラティリティと低取引量だ。
「相場的には(ドル安/円高)の行き過ぎ感があるが、113円から111円まで、出合いの少ない取引で、売りが売りを呼ぶシステムに先導され、急落したので、相場が全くこなれていない」とFXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は述べ、目先、ドルは111―113円で推移する公算が大きいが、相場の安定を示唆するものではないとみている。
フィスコ
109.50 - 114.50
為替週間見通し(2016/02/12 14:59)
米3月利上げ観測は後退しており、心理的な節目とみ られている1ドル=110円でドルが下げ止まるか注目されそうだ。市場関係者が注目し ている日本の10-12月期国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率-0.7%と予想されて おり、7-9月期の+1.0%との比較で成長率は悪化する見通し。7-9月期の前期比年率+1.0%に対 して-0.7%と大幅な悪化が見込まれている。予想通りであれば、日本経済の先行き不透明感が強まるため株安が進み、ドル売り圧力が強まる可能性がある。
TRADER'S WEB トレーダーズ・ウェブ
110.00 - 116.00
週間為替展望 (2016/02/13 02:32)
- 市場のセンチメントは一段と悪化、株安の継続性にも注視。
- ドル円は当局からのけん制も警戒される水準へ、慎重さも持ちあわせたい。
ドル円はテクニカル面で重要な節目だった115円をあっさり割り込んだ。日銀短観における2015年度の大企業・製造業の想定為替レートを大きく下回っている。欧米も同様だが、足元の株価下落で企業がさらなるコスト削減を強いられそうな状況下、日銀マイナス金利導入による金融機関の収益圧迫懸念も加わって、市場のセンチメントが一段と悪化する可能性は否定できない。
ただし円高と原油安から本邦物価指標の持ち直しも鈍いなかで、インフレ目標達成の観点からは政府や日銀が警戒感をにじませる水準に突入している。すでに財務官僚からは市場の動向を注視するとした口先介入のような発言も伝わった。ドル円・クロス円の急激な反発に対応できる備えも持ちあわせたい。ここからのドル円はボラティリティの高さから瞬間風速的に振れが大きくなる可能性はあるものの、石橋を叩いて渡るような慎重な下値模索に移行する展開も想定したい。
三菱東京UFJ銀行
FX Weekly(2016/02/12)
110.50 - 114.50
「リスク回避の円買い」の実体は、それまでに売っていた円の買戻しと、円高を見込んだ「リスクテイクの円買い」とみられる。
ドル円の下値目処について、市場でのコンセンサスは、まだ固まっていないようだ。足もとの値動きの激しさを勘案すると、仮に 110 円を割り込んだ場合、2~3 円程度の振れ幅は当然想定すべきと言える。当面の下値目処として、107~108 円程度を想定しておく必要はありそうだ。一方、反発する場合、これまで下値目処と目されてきた 115 円を上抜けすると、戻り売り圧力が次第に強まると予想される。
足もとのドル円下落は、世界的な株安と連動しており、急激なドル円相場の動きに対する国際社会の関心は高い。今後、G20 などの場で、何らかの協調策が実現する可能性はゼロではない。
私見
今週はドル円が 115 円を簡単に割り込んでしまい、それどころか 110 円台まで下押ししました。終わりのない下げ相場に積極的にロングを入れるわけがないわけですが、政府や中央銀行を始め、対応策を打ち出す動きも出始めています。G20 では経済についての対策について、話し合いが持たれるでしょう。来週に関しても、基本的には「上がってきたら売る」を繰り返す動きでしょうが、ドル円でもボラティリティが非常に高く、瞬間的に大きく変動することから、ストップロスを狭く置くか、変動幅を加味して少しリスクを取るか難しいところです。
予想 : 111.00 - 114.20